「松の寿」の松井酒造店(塩谷町)は、クールビューティー(女性ラベル)シリーズから秋の季節限定商品として特別純米酒「松の寿 バニーガール」を発売した。夏の季節商品「ナツノコトブキ」、春の季節商品「お蝶(ちょう)夫人」に続く第3弾。
女将(おかみ)の松井真知子(まつい・まちこ)さんによると、女性ラベルシリーズは当初、春夏秋冬の4本でストーリー性のある商品として企画した。
ナツノコトブキは、元々は暑中見舞いのはがきのようなデザインだった。しかし「少し地味だ」という声があり、とにかく目立つ、今までにないものにしたいと、2018年夏、思い切って水着女性のデザインに変更した。
松井さんは「最初はお客さまの反応が怖かったですが、想像していた以上に好意的に受け入れていただき、インスタがはやり始めたタイミングとも重なり、SNSでよく見かける商品となりました」と振り返る。
ただ、デザインがあまりに夏に偏っていること、またナツノコトブキと「夏」という単語が入っていることで、取扱時期がかなり限定されてしまうのがデメリットと感じたという。
そこで19年春、春を想像させながらも、一年中発売できる、また店頭で取り扱いやすいラベルとして「お蝶夫人」を発売。松井さんは「『夫人』なら受けるかな、チョウ(蝶)がいたら春っぽいな、これはお蝶夫人しかないと思ったら他に(商品名が)浮かばなかった」と言う。
お蝶夫人と似た発想で生まれたのが「バニーガール」。秋に発売はするものの、長い期間売れるようにと命名した。松井さんは「秋→中秋の名月→うさぎ→バニーガールという発想です」と明かす。
お蝶夫人が背中越しに振り返るような横向き、ナツノコトブキが正面でやや斜めの伏し目がち。バニーガールはナツノコトブキとは鏡合わせのような向きで少し目が開き、瞳が見えるようにした。
松井さんは「冬の商品でとりあえずは完結する予定ですが、どんなラベルになるのか、ご期待いただければと思います」と話す。
バニーガールは、酒米の五百万石を100%使用し、ろ過をしないことで米のうま味はそのままにしながらも、飲みやすくするために加水をし、アルコール度数を調整して火入れした。秋の味覚に合うよう、スッキリとした淡麗辛口に仕上がっているという。精米歩合58%。日本酒度プラス3・5。酸度1・5。アルコール度数15%。
税込み価格は720ミリリットルが1870円、1・8リットルが3520円。