【宇都宮】人工知能(AI)を活用し、トップアスリートと自分自身のフォームを客観的に比較分析できるアプリ「AIスマートコーチ」の実証事業が12日、豊郷中と古里中の剣道部を対象に行われた。お手本の選手と生徒の動画を並べ、骨格解析まで加えて比較できる。市は情報通信技術で生徒が能動的に考える力を身に付け、指導者不足を補えるか来年1月まで実証事業を続ける。
アプリはソフトバンクが開発し、現在はサッカーやテニスなど19種目に対応できる。実証事業は今年3月に設立された産学官連携の「みやSOIP(スポーツ・オープン・イノベーション・プラットフォーム)」の取り組みの一環。部活動の地域展開を受け、指導者不足の解消やトップアスリートの指導による競技力向上を目的として県内で初めて行われた。
実証事業は豊郷中で行われ、両校の剣道部員計約20人が参加。生徒は自身の素振りをタブレットで撮影後、お手本として紹介された筑波大の選手と比較した。AIを活用した部活動に生徒も興味津々。肘や足さばきの動きを見比べながら、自らの長所と課題を確認した。
豊郷中2年本田秀真(ほんだしゅうま)さん(13)は「先生不在の時、AIを活用することで上達の幅が広がる」と笑顔。古里中1年塚原優(つかはらゆう)さん(12)は「実用性があり未来の部活と感じた」、同薮井美玖(やぶいみく)さん(12)も「新しい目標が発見できた」と意欲を見せていた。
アプリは見本選手の動画とともにレッスン内容も紹介。ソフトバンクの担当者は「メッセージ機能もあり、遠隔指導もできる」と有用性を強調した。