シンガー・ソングライターの汐れいらがワンマンツアー「ねぼすけ」の最終公演を東京・渋谷で開催した。ロックバンド「ねぐせ。」と共演したチャーミングなデュエット曲「織姫とBABY」がバイラルヒット。同バンドのボーカル“りょたち”も登場し、ライブハウスは熱気に包まれた。
ダンサブルな「踊り場のサーカスナイト」で始まったこの日。「ぼーっとしてたらあっという間に終わっちゃうんで、あたしのことだけ見ててください」とクールに言い放つと、歓声が上がる。
ハッとする鮮烈なメロディーに言葉遊びのような歌詞で中毒性が高い汐の音楽。時に生々しく恋の切なさを歌うが歌詞はあくまでフィクション。物書きを志したが、音楽の方が余白が生かせると感じ、路上ライブで表現を磨いてきた。
デビュー後、大きな夢が見つからず悩んだ時期もあったと明かした汐。たどり着いたのは「好きな人と好きな音楽を続けていきたい」というシンプルな思いだった。「周りと比べて悩まなくても大丈夫だって言いたくて、ツアーのタイトルも『ねぼすけ』にしました」
終盤では「みんなこの曲を聴きたかったんじゃないの?」と「織姫とBABY」を披露。サプライズゲストのりょたちの甘い声と、汐のクールな声が楽しげに絡み合う。
日常に宿る幸せを食事の風景に託して歌う「味噌汁とバター」に続け、疾走感あふれる「トクベツにして」「ラブソングにして」の2曲で畳みかけると「大切な人、音楽が好きってことを再確認できました」。声を弾ませ締めくくった。