14日告示された那珂川町長選には、いずれも無所属新人で前町議の鈴木繁(すずきしげる)氏(61)と益子純恵(ましこすみえ)氏(46)が立候補を届け出て、激しい選挙戦を繰り広げている。19日の投開票を前に、下野新聞デジタルでは2002年以降の選挙戦を報じた記事を再掲する。

馬頭町長に川崎氏 小林氏退け初当選 投票率75.66%(2002年7月29日)

 任期満了に伴う馬頭町長選は二十八日投票が行われ、即日開票の結果、前自民党県議で会社役員川崎和郎氏(68)=無所属、自民推薦=が、市民団体「馬頭の自然と環境を守る会」会長で農業小林盛氏(51)=同=を退けて初当選した。新人同士の一騎打ちは一九九〇年以来、十二年ぶり。投票率は75・66%で、前回の74・43%を1・23ポイント上回った。

 川崎氏は保守系全町議らの支持を集めて組織を固めた。町議四期、県議三期を務めた知名度に加え、地元商工会や森林組合など各種団体の推薦も受け、終始優位に選挙戦を展開した。精力的にこなした街頭演説では、政治経験を前面にアピール。「町民参加の町づくり」を訴えて、幅広い町民から支持を集めた。

 小林氏は特別な選挙組織を持たず、守る会や地元住民などがボランティアで活動を支援。町内に計画されている県営産業廃棄物最終処分場問題を最大の争点と構え、「処分場反対」「町民のための町政」を草の根運動で訴えたが及ばなかった。

 初当選を決めた川崎氏は、同町馬頭の選挙事務所で支持者を前に「大変厳しい選挙だった。政策論争よりも処分場の是非が問われ、私の主張が町民に浸透しなかった。町のために全力を尽くしたい」と喜びを語った。

 一方、敗れた小林氏は「三千四十五票の批判票は、これからの処分場反対運動に大きな力になる。今回の結果を生かし、計画の白紙撤回に向け頑張りたい」と話した。

◇2002年 馬頭町長選開票結果(選管確定=午後10時5分)

当5,298川崎和郎 68 無新

 3,045小林盛  51 無新

 

 ◇解説◇ 処分場問題 住民の合意形成課題

 豊富な政治経験を持つ前県議に、県営産廃処分場反対を掲げる住民運動の代表が挑む、異例の選挙戦だった。

 大きな争点に浮上した処分場問題に関して川崎氏は「いったん振り出しに戻す」と、事実上の白紙撤回を表明。小林氏の攻撃をかわした。

 さらに「最終的には住民の総意で決定したい」と主張。町議会の処分場建設反対陳情の不採択を受け、県に処分場建設要請をした白寄暹現町長とスタンスの違いを明確にしたことも功を奏した。

 また「情報公開の徹底」「行政の説明責任」など、小林氏との公約に際立った違いはなく、有権者は行政をよく知る川崎氏を選んだ。

 小林氏は敗れたものの、処分場に反対する声は小さくなかった。しかし、不法投棄された産業廃棄物撤去の見通しが立たない中で、やむを得ず、早期に処分場建設を望む声が町内にあるのも事実だ。

 今後、選挙戦の中で公約した検討会を設置し、いかに住民のコンセンサスを築き上げていくのか。川崎氏の政治手腕が問われる。

 

小川町長に渡辺氏3選 2期連続無投票(2003年1月22日)    

 任期満了に伴う小川町長選は二十一日、告示され、現職の渡辺良治氏(67)=無所属=が無投票で当選した。渡辺氏は三選。二期連続の無投票だった。

 小川町は過去、町長選のたびに激しい選挙戦を展開してきた。しかし、渡辺氏の就任以来、町内の派閥争いの図式は徐々に解消。渡辺氏は従来の枠組みを超えた幅広い支持者をつかんだ。

 午前十時から、同町小川の選挙事務所で開かれた出陣式には、渡辺喜美衆院議員や谷博之参院議員をはじめ、近隣首長や県議らが出席。渡辺氏は三期目の公約に(1)町長期総合計画の着実な推進(2)市町村合併問題への積極的な対応-などを掲げた。

 午後五時半から開かれた当選祝賀会では「無投票で当選し、責任の重大さを感じている。皆さんの信託に応えるべく、町の将来のために何がベストかを常に念頭に置き、町政を運営したい」と三期目の決意を語った。

 【渡辺氏の略歴】山梨大工学部卒。1960年県庁に入り、県宇都宮土木事務所長などを歴任。

 

那珂川町長は川崎氏 組織力と実績生かす 投票率75.47%(2005年11月7日)