8回、佐野日大の吉澤の犠打で三走・中村が勝ち越しのホームイン=山梨県富士吉田市の富士北麓公園野球場、広瀬華撮影

8回、佐野日大・吉澤の犠打で三走の中村が勝ち越しのホームイン=山梨県富士吉田市の富士北麓公園野球場、広瀬華撮影

8回、佐野日大の吉澤の犠打で三走・中村が勝ち越しのホームイン=山梨県富士吉田市の富士北麓公園野球場、広瀬華撮影 8回、佐野日大・吉澤の犠打で三走の中村が勝ち越しのホームイン=山梨県富士吉田市の富士北麓公園野球場、広瀬華撮影

 第78回秋季関東高校野球大会第2日は19日、富士吉田市の富士北麓公園野球場ほかで1回戦4試合が行われ、佐野日大(本県1位)は中央学院(千葉2位)に8-7で競り勝ち、2大会連続で8強入りした。

 このほか花咲徳栄(埼玉1位)が0-9から9点差を逆転し法政二(神奈川2位)を10-9で下した。甲府工(山梨2位)、駿台甲府(山梨3位)も勝ち、8強が出そろった。

 佐野日大の準々決勝は21日午後0時半から、甲府市の小瀬スポーツ公園山日YBS球場で駿台甲府と対戦する。

名将の孫、打撃で貢献 中村主将

 同点の八回1死。高々と上がった打球が相手右翼手のグラブに収まった瞬間、佐野日大の三走中村盛汰(なかむらせいた)主将が全力疾走。本塁に滑り込んで勝ち越しに成功しても「次の守備に向けて気を引き締めた」。白い歯を見せるのは試合が終わってから。27個目のアウトを取って初めて仲間たちと喜びを分かち合った。

 打撃でチームを引っ張った。4打数4安打。四回には2死満塁から中前へ運び、貴重な追加点を挙げた。県大会では湿りがちだったバットが、関東の大舞台で快音を連発。「センター返しを常に頭に置きながら、どんな球が来ても打とうと思った。自信を持って打席に入れた」

 PL学園(大阪)を率いて甲子園で春夏6度の優勝に導いた名将中村順司(なかむらじゅんじ)さんを祖父に持つ。「細かいところまで見てアドバイスをくれる。プレッシャーもあるが、自分らしくやりたい」と環境に感謝する。

 チームは相手が送り出した6投手を攻略し、打撃戦を制した。ただ雨でぬかるんでいたとしても、2失策など守備のミスで試合を難しくしたことは反省材料だ。「次も強い相手。粘り強く戦いたい」と背番号5。12年ぶりのセンバツを目指し、一丸で戦うナインの先頭に立っている。

エース鈴木、課題克服誓う

 佐野日大のエース鈴木有(すずきゆう)は課題の立ち上がりや、グラウンド整備後の六回に失点した。「準備してきたが足りなかった。次の試合に向けて克服できるようにしたい」と反省した。

 五回は3者連続で空振り三振を奪うなどボール自体は悪くなかった。九回も得点圏に走者を背負いながら、なんとか踏ん張って完投。「点を取られても野手がカバーしてくれた」と仲間に感謝した。

 次戦は前回大会で先輩たちが敗れた準々決勝。「今年こそベスト8の壁を破れるように頑張りたい」と力を込めた。