任期満了に伴い、無所属新人の前町議2人による一騎打ちとなった那珂川町長選は19日、投開票が行われ、益子純恵(ましこすみえ)氏(46)が鈴木繁(すずきしげる)氏(61)を712票差で退け、初当選した。益子氏は政策提案力への自信を訴え、初の女性町長誕生への期待感も追い風とした。鈴木氏は移住定住施策の強化などを主張したが及ばなかった。投票率は前回2013年を5・44ポイント下回る67・18%だった。
午後8時50分過ぎ、同町馬頭の益子氏の選挙事務所に当選の一報が入ると、支持者から拍手と歓声が沸き起こった。益子氏は一人一人と握手を交わすなどして喜びを分かち合った。
「オール那珂川」を掲げ、自民党系の国会議員や県議らに加え、共産党系町議らの支援も受けた。選挙戦では街頭演説を重視し、浸透を図った。
支持者らを前に益子氏は「私を引っ張ってくれた皆さんがいたから、町の未来を変える一歩を踏み出すことができた」と感謝を口にし、「町の融和を図り、しっかりと町づくりに取り組む」と決意を述べた。
スポーツを通じたまちづくりを強調し、昔ながらのどぶ板選挙を徹底した鈴木氏。午後8時55分ごろ、同町小川の選挙事務所に敗戦を知らせる一報が届くと、会場は重苦しい雰囲気に包まれた。
鈴木氏は「責任は全て私にある。ひとえに力不足だった。これまでの協力は一生忘れない。これからは一町民として町の発展に寄与したい」と話し、支持者らに深々と頭を下げた。