任期満了に伴う那須烏山市長選は19日投開票が行われ、無所属現職の川俣純子(かわまたじゅんこ)氏(65)=自民推薦=が、前市議の会社経営青木敏久(あおきとしひさ)氏(62)、会社役員佐々木豊(ささきゆたか)氏(60)、団体職員小川雅幸(おがわまさゆき)氏(56)の無所属新人3人を退け、3選を果たした。川俣氏は「未来へ羽ばたく新たなまちづくり」を掲げ、JR烏山、大金両駅周辺の再整備などを訴え、激戦を制した。投票率は61・58%で、川俣氏が初当選した2017年の前回(57・77%)を3・81ポイント上回った。

 川俣氏は公務などで出遅れ感があったが、告示前は地区ごとのミニ集会、告示後は街頭演説などで巻き返しを図った。特に「競り合い」との情勢報道が出た後の終盤2日間は、両日とも10本以上の街頭演説を行うほど熱を入れた。

 当選が確定した午後9時半過ぎ、同市中央2丁目の結果報告会場に緊張した面持ちで姿を見せた。万歳三唱後にようやく破顔。「最高のメンバーに支えられたことを忘れず、皆さんと最高の那須烏山市にしていく」とあいさつし、支援者と喜びを分かち合った。

 「変革。未来へ!」と市政刷新を訴えた青木氏は、新市庁舎整備計画の再検討など現職との対立軸を打ち出して批判票の取り込みを図ったが、及ばなかった。同市中央1丁目の事務所で支持者らを前に「全ては私の責任で力不足。この結果を重く受け止め、皆さまに心からおわびを申し上げる」と深々と頭を下げた。

 佐々木氏は交流サイト(SNS)での訴えや駅前での演説で支持拡大を図ったが伸び悩んだ。取材に対し「信じて投票してくれた方に感謝したい。ベースがない中でゼロから約1200票まで伸びたが、難しい戦いだった」と述べた。

 小川氏は「ここまで大差がつくとは。惨敗」と、同市興野の選挙事務所で支持者に頭を下げた。「政策はしっかり伝えられたと思う。市民が選んだ結果。仕方ない」と肩を落とした。


【電子号外】那須烏山市長選、川俣氏が3選(10月19日)