「マル獄」のロゴが人気の前かけ=東京都中野区

 点字おみくじを持つ根本聖道さん=東京都中野区

 新井薬師梅照院=東京都中野区

 「キャピックショップなかの」の店内=東京都中野区

 移築工事中の旧中野刑務所正門=東京都中野区

地図

 「マル獄」のロゴが人気の前かけ=東京都中野区  点字おみくじを持つ根本聖道さん=東京都中野区  新井薬師梅照院=東京都中野区  「キャピックショップなかの」の店内=東京都中野区  移築工事中の旧中野刑務所正門=東京都中野区 地図

 西武新宿線沼袋駅(東京都中野区)の南側に、約7万平方メートルの「平和の森公園」が広がる。多目的運動広場や遊具、水遊び場などからなる中野区民の憩いの場は、かつて中野刑務所だった場所に整備された。

 中野刑務所は戦前、戦中の政治犯や思想犯を多く収容していたことで知られ、1983年に閉鎖した。当時の面影を残す、れんが造りの旧正門は、移築・修復工事の真っ最中。工事フェンスの隙間から少しだけのぞくことができた。

 すぐ近くに「キャピックショップなかの」という聞き慣れない名前の店舗がある。全国の刑務所で受刑者が製作した木工家具や皮革製品、民芸品や日用雑貨などを展示・販売する施設だ。高い品質と手頃な価格が人気で、全国で作られる約4800品目のうち900近くが並ぶ。

 売り上げナンバーワンは横須賀刑務支所で作る部分汚れ専用の洗濯せっけん「ブルースティック」。函館少年刑務所などが生産する前かけは「マル獄」のロゴがしゃれている。ひときわ目を引くのは富山刑務所で造られた豪華絢爛なみこしで、なんと479万6千円。記者はみこしと比べて4桁値段が安い、山口刑務所製の萩焼マグカップ(680円)を購入した。

 店舗から東へ5分ほど歩き、新井薬師梅照院へ。徳川秀忠の子の眼病が祈願で治ったことから眼病平癒の御利益で知られる寺院で、今年から「点字おみくじ」(100円)がお目見えした。

 中野区視覚障害者福祉協会や点訳ボランティアの協力で実現。おみくじの内容が点字で印刷され、スマートフォンで音声も聞けるQRコードが付いている。

 住職の根本聖道さんは「自分の運勢を他の人から聞かされるのではなく、自分で読むという体験ができると喜ばれています」と話している。

 【メモ】旧中野刑務所正門は、2028年ごろに一般公開される予定。