LRT西側延伸の意義について語る森本教授

 多様な課題に向き合いながら2036年3月の開業を目指す次世代型路面電車(LRT)のJR宇都宮駅西側延伸事業。芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会の委員長を務めるなど、LRT事業に長年携わってきた早稲田大理工学術院の森本章倫(もりもとあきのり)教授(61)に、西側延伸の意義やまちづくりの展望を聞いた。

 -市が開業時期を「30年」から6年延期した。どんな判断があったのか。

 「もともと言われていた開業時期は30年代前半。30年開業は市長が選挙で掲げた目標だが、選挙後の半年間の議論でいくつかの点が明らかになった。それは30年にできなくはないが、既存のインフラをできるだけ触らず、最小限の用地買収にするなどのさまざまな制約が必要になるということだ。東側にいいものができたのだから西側もよりいいものを、との議論で決まった。将来への一定程度の投資とリスク回避であると理解してほしい」

 -投資とリスク回避とは。