第一酒造オリジナルのステンレス製エッチングコースター

「寄木(風車)」の模様を施したエッチングコースター

第一酒造オリジナルのステンレス製エッチングコースター 「寄木(風車)」の模様を施したエッチングコースター

 佐野市大橋町に北関東営業所と工場を構える特殊阿部製版所(東京都江東区)は、ステンレスを化学薬品で食刻(エッチング)加工する特殊製版技術を活用し、佐野発の新たな工芸品「HikariSAS(ヒカリサス)エッチングコースター」を商品化した。オリジナルデザインにも対応し、バリエーションを広げている。

 同社は、紙以外の曲面や凹凸面に対して小さな文字や繊細なデザインを施すパッド印刷などの製版加工や資材販売を手掛ける。この製版にはステンレスなど金属が使われるが、同社は版デザインの高精度、繊細さを実現するため、エッチング部の深さ、底面の平滑度をほぼ一定にする加工を得意にしている。

 これら製版技術の提供は従来、企業間取引だけだった。コースターはこの技術を広く一般にも知ってもらおうと昨年末、対消費者向け商品として企画した。

 コースターは直径75・5ミリ、厚さ3ミリのステンレス製。表、裏の両面にデザインが施されている。重さ130グラム。北関東営業所の山根義則(やまね・よしのり)所長代理は「鏡面研磨した輝度感とエッチング部分との美しいコントラスト、カツラ無垢(むく)材の台座が高級感を醸し、お酒の味わいをより深いものにする」と話す。

 ラインアップは4種。「四角・組亀甲/鱗(うろこ)」模様、「寄木(風車)・胡麻(ごま)/市松」模様、「麻の葉・紗綾形/菱(ひし)」模様、佐野市の三毳山に群生するカタクリをモチーフにした「片栗・星七宝・円」模様ペア。価格は3万800円、ペア6万1600円。HikariSAS専用サイトから購入できる。

 今年9月には第一酒造(佐野市)が母屋客間で行う「酒蔵茶屋」に採用。「開華」などオリジナルデザインを施したものを膳に添え、客をもてなした。

 8月にはステンレスエッチング加工の手鏡も商品化している。