栃木市役所

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 【栃木】市議からのハラスメントの実態を把握するため、市が全職員を対象に初めて行ったアンケートで、課長級以上の5人に1人となる20人(20%)が「受けたことがある」と回答したことが、25日までに分かった。全職員では81人(8%)が受けたと答えた。内容は「正当な理由のない過度な要求」が34件で最多。業務への支障の恐れなどから81人中33人は「何もしなかった」とした。結果を踏まえて市は21日、市議会に防止へ向けた取り組みを検討するよう求めた。

 アンケートは9月25日~10月8日、庁内グループウエア内のアンケート機能を使って実施。正職員1283人のうち84%にあたる1077人から回答を得た。現議員の任期中となる2022年4月25日以降の行為を対象とした。

 8月の市議会民生常任委員会で、市議が職員に対して机をたたき、声を荒らげるハラスメント行為があったことを受けて行った。実態を把握することで議員の意識向上や再発防止につなげる狙いがある。

 市によると、課長級以上は議員と接する機会が多く、割合が高くなったとみられる。ハラスメントを受けたと回答した81人のうち、受けた場所は執務室が47件で最多だった。

 行為の種類は正当な理由のない過度な要求のほか、どう喝や物をたたくなどの威圧的な言動が26件、脅迫、中傷などの精神的な攻撃が21件と続いた。「職員を見下した発言」「守秘義務がある内容を答えるよう迫る」などの記述もあった。

 行為を受けた結果、「ストレスがかなり増加した」が56件、「仕事のモチベーションが下がった」が40件。体調面への影響は「なかった」が多かったものの、睡眠障害などを訴えたケースもあった。上司や同僚へ相談した職員もいた一方、「何をしても解決しない」との諦めから何も対応しなかった職員が最も多かった。

 ハラスメント防止へ向けては、市議の意識改革を求める声が相次いだ。市総務人事課の担当者は「議会と執行部が対等な立場で議論できる環境づくりに取り組み、職員が意欲とやりがいを持って職務に当たれるよう努めたい」としている。