栃木県と県酒造組合でつくる下野杜氏資格認証委員会の下野杜氏資格認証状授与式が25日、宇都宮市内で行われ、3人を下野杜氏に認証した。
下野杜氏に認証されたのは、惣誉酒造(市貝町)の九石大輔(さざらし・だいすけ)さん(50)、渡邉酒造(大田原市)の朝日亮(あさひ・りょう)さん(43)、富川酒造店(矢板市)の富川真梨子(とみかわ・まりこ)さん(41)。
組合の島田嘉紀(しまだ・よしのり)会長は下野杜氏について「決して製造技術だけではなく、本人が栃木の酒についてどう考えるかとか、後輩の育成をどうするかとか、あるいは栃木の魅力をどう伝えるかも論文試験、面接試験の中で試された上での認証である」と厳しい関門を突破したことを紹介した。その上で「もちろん製造技術はあるわけですけれど、決してそれだけではない、広い視野を持って活躍していただきたい」と期待した。
関東信越国税局鑑定官室の岩田知子(いわた・ともこ)室長は「下野杜氏(制度)は栃木県内の各蔵元の製造技術をさらに向上させると共に、素晴らしいお酒、芳醇(ほうじゅん)な清酒が醸し出されることとなり、国税局の酒類鑑評会はじめ、その他の品評会でも高い評価を受けることにつながっている」とその貢献度を評価。「国内外に栃木県産清酒の名声が高まることを心から祈念します」と励ました。
下野杜氏は2006年に第1期が誕生し、今回3人が加わり、現在30人が活躍する。職人の世界の伝承ではなく、座学、実務、利き酒などをポイント制で積み重ねて受験資格を得る。試験は酒造一般や酒税法などの筆記、利き酒、論文、組合幹部らによる面接があり、見識、実務ともに認められた者だけが合格できる。

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