インタビューに応じた左からケイレブ・マクラフリン(ルーカス役)、フィン・ウルフハード(マイク役)、ゲイテン・マタラッツォ(ダスティン役)

ネットフリックスで配信の「ストレンジャー・シングス 未知の世界 5」より

ネットフリックスで配信の「ストレンジャー・シングス 未知の世界 5」より

インタビューに応じた左からケイレブ・マクラフリン(ルーカス役)、フィン・ウルフハード(マイク役)、ゲイテン・マタラッツォ(ダスティン役) ネットフリックスで配信の「ストレンジャー・シングス 未知の世界 5」より ネットフリックスで配信の「ストレンジャー・シングス 未知の世界 5」より

 米配信大手「ネットフリックス」を代表するドラマの一つである「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の完結編となるシーズン5の配信がスタートした。1980年代の米国にあるという架空の町ホーキンスを舞台に、映画やゲームが大好きなちょっとさえない少年4人組が、超常的なパワーを持つ少女らと共に、別次元の「裏側の世界」の脅威に立ち向かう。壮大なSFホラーと青春群像劇が掛け合わされた構成で、2016年のシーズン1配信以降、世界的人気を誇ってきた。

 シーズン5の配信を前に主要キャラクターを演じた俳優らが来日。少年4人のうち、マイク役のフィン・ウルフハード、ルーカス役のケイレブ・マクラフリン、ダスティン役のゲイテン・マタラッツォの3人がインタビューに応じた。(取材・文 共同通信=木村直登)

 ―最終章の撮影はどのような心境でしたか?

●フィン 圧倒されるような感じがありました。でも、ポジティブに終わりに向かう気持ちもありました。

▲ケイレブ 最後の撮影の日、僕も圧倒されました。「これで一つの素晴らしい時代が終わるんだ」と思いました。

 ―壮大な物語です。結末を知った時の気持ちは?

●フィン 実感するのに時間がかかったんですけど、キャスト全員がポジティブな思いでラストを迎え入れました。すごく特別なものになりました。

◆ゲイテン 「終わるべくして終わったんだ」という終わり方でした。初めてみんなで台本の読み合わせをした時、僕もみんなも、ほっと一息ついたくらい、みんなの気持ちがつながっていたし、わくわくしていました。

 もちろん、終わるということでちょっと厳粛な空気もあったけど、満足感もあったし、しっかり終わったという感じがありました。 壮大な所もあり、アクションもすごい。「さよなら」という意味ではエモーショナルにもなっている。早くみんなに見てもらいたいです。

▲ケイレブ 台本を読み終わった時、内容がどうかというより、「これで終わりなんだ」という気持ちでした。自分の人生の大きな部分を占める作品でしたから。

 プロモーションで世界を回る時はいつも、「次のプロモーションではこんなことをしようね」と話をするんですけど、「今回はそれがないんだね」と、確かフィンと夕食を食べていた時に話をしました。

 物語の終わり方についての思いは、説明が難しいですね。人生で何かが終わる時に感じることもあったし、この作品だからこそ感じるものもありました。

 ―作品の中で懐かしいアニメやゲームなどが引用され、サブカルチャーが重要な役割を果たしています。日本のポップカルチャーでお気に入りはありますか?

◆ゲイテン ゲームの「ゼルダの伝説」です。世界中で人気ですよね。暴力的なゲームを母が好まなかったので、小さな頃はキッズも楽しめるファミリー向けのもので遊んでいたんですが、中でも最高だったのは任天堂のゲーム。特に「ゼルダ」は人生に大きな影響を与えてくれたし、これからもそうだと思います。

●ケイレブ 日本の文化には小さい頃から触れてきました。家族も大好きです。名前は覚えてないんだけど、2010年代に、いとこの家で早朝5時に起きて、いろんな作品のキャラクターが出てきて戦うゲームをやったことがありました。すごく好きなゲームでした。

●フィン 漫画、アニメの「AKIRA」はずっと愛し続けている作品です。「DEATH NOTE」も好きですね。あとは、黒沢明監督や小津安二郎監督など、日本の実写映画も好きなんです。去年、カナダで実際に劇場で日本作品を見る機会があって、最高でした。

 ―約10年前、シーズン1の撮影をしていた時はこれほど人気作品になると思っていましたか?

◆ゲイテン 誰もこんな人気が大爆発するとは思っていませんでした。もちろん質の良さは脚本段階から僕らも感じて、自信を持っていました。あの年齢でも特別な作品だって分かっていたんです。ただ、僕らはニッチで、カルト的な人気が出てほしいなと思っていたくらいだったんです。僕らがこの作品を愛するのと同じくらい、みなさんにも受け入れられて、愛されるといいなと。まさかこうなるとは。ニッチどころか、すぐに人気が大爆発して、逆にそんな状況に自分たちの気持ちを調整するのが難しいくらいでした。

     *  *  *

 少年4人組のうち、体調不良のため、残念ながらインタビューすることがかなわなかったウィル役のノア・シュナップは、国内での別のPRイベントに登壇した際、シーズン5について次のように述べた。

 「過去のシーズンと比べてというだけでなく、他のテレビ番組や映画と比べても、今シーズンは特別感があります。何年も前に描かれた出来事がつながっていく、そういう展開が見られます。視聴者にとって懐かしく響くところもたくさんあると思いますので、楽しみにしてください」