栃木県の1医療機関当たりのインフルエンザ患者数が過去最多となる中、感染拡大の要因や予防対策などを日本感染症学会インフルエンザ委員会委員で自治医大とちぎ子ども医療センターの田村大輔(たむらだいすけ)准教授(51)に聞いた。

自治医大とちぎ子ども医療センターの田村大輔准教授
自治医大とちぎ子ども医療センターの田村大輔准教授

 -なぜ今年はこんなに早く、多く増えているのでしょうか。

 「まずウイルス学的に(A型インフルエンザ)H3N2型の変異でワクチンの効果が少ないという話はありますが、大前提としてワクチン接種率がそんなに高くない状況で、かなり流行してしまっている状況があります。インフルエンザはまず子どもたちの間で流行が広まり、家庭に持ち込まれ社会に広がります。13歳未満はワクチンを2回接種する必要がありますが、10月から接種が始まって今はまだ1回目が終わり、これから2回目という時期なので、ワクチン接種が完了していない状況がまずあると思います」

 -他の要因もありますか。

 「もう一つは