インフルエンザ感染が県内で猛威を振るっている。1定点医療機関当たりの患者数(11月17~23日)は74・47人と県に記録が残る1999年以降で最多となり、今季初の警報レベルとなった前週の患者数(49・60人)の1・5倍に達した。19歳以下の若年層が全体の8割強を占めている。

 警報レベルは前季より1カ月以上早く、新型インフルエンザが世界的に大流行した2009年と並び最も早い。海外で拡大している変異ウイルスとの関連も指摘される。

 重症化しやすい高齢者や、高熱に伴う異常行動などが懸念される子どもの感染には特に注意が必要だ。流行の長期化に備えこまめな手洗いやマスクの着用、定期的な換気など感染防止の基本対策を改めて徹底させたい。

 県内6保健所管内別では、5保健所で警報レベル(30人)の2~3倍強となった。最多は安足の92・29人で、県北91・78人、県南76・00人、県東68・67人、宇都宮市63・67人、県西44・40人と続いた。

 流行期が早まった要因として、専門家は新型コロナの感染症法上の位置付けが23年5月に5類に移行して以降、対策の意識が低下した点などを挙げる。さらに例年より早く患者が増加している英国の状況などから、季節性インフルエンザとして流行するA型の変異ウイルス「サブクレードK」との関連を詳しく調べる必要性も求められている。

 県内公立小中高の休業も相次いでいる。既に今季の累計休業数は401校に達し、11月下旬までに430校と過去最多だった23年を超える勢いだ。就学以降の小児や未成年者は、発熱から2日以内に、突然立ち上がって部屋から出ようとしたり、ベランダに出て飛び降りようとしたりするなどの異常行動が現れることがあり、厚生労働省も保護者らに注意を呼びかけている。

 有効な感染予防対策の一つがワクチン接種だ。重症化リスクの高い高齢者や子どものほか、重症化を防ぐ効果が期待できる観点から一般成人も接種で備えてほしい。高齢者施設や病院での集団感染にも対策の強化が求められよう。

 患者の急増が続けば、重症化するケースなども増える要因となり、医療現場が逼迫(ひっぱく)しかねない。日頃から一人一人が体調管理に努め、異変を感じたら速やかにかかりつけ医などを受診し感染拡大を防ぎたい。