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 被害が後を絶たない特殊詐欺。連日の被害報道に心を痛めていた11月中旬、午前中の業務が一段落した11時ごろ、下野新聞記者の私用携帯が突然鳴った。「090」から始まる未登録の番号。電話に出ると、相手は威圧的な声で「警視庁捜査2課のノグチ」と名乗った。話を聞くうちに「これが詐欺電話か」と感じたが、相手の手口を知ろうとしばらくやりとりを続けた。

 ノグチと名乗った男は記者の名前を把握していた。「●●」さんですか。「そうです」と答えると男は話を続けた。

 愛知県で起きた大規模な事件の捜査過程で記者名義の押収物が出てきたため「供述調書を取るため愛知県警に出頭してほしい」という。なぜ愛知県の事件で警視庁なのかと思われないためだろうか、「愛知県警から捜査協力を受けた」とも説明した。