宇都宮市役所

 障害がある子の親が亡くなった後の生活を支援するため、宇都宮市5日、来年4月をめどに「親なき後相談窓口」を設置することを明らかにした。市によると、専用の相談窓口の設置は栃木県内自治体で初めて。

 5日の市議会一般質問で佐藤栄一(さとうえいいち)市長が内藤良弘(ないとうよしひろ)氏の質問に答えた。

 専用窓口の設置は、親亡き後のお金の管理や住まい、生活サポートなどの不安を抱えながらも「どこに相談していいのか分からない」という家族らの声を受けたもの。相談窓口を明確にすることで相談しやすい体制を整え、各種支援事業や制度につないでいくのが狙い。

 窓口は市障がい福祉課内に開設。市担当職員が障害者の親や家族から不安や心配事を聞き取り、障害者本人の特性や家族の希望に応じた対応をする。日常生活を支える各障害福祉サービスや障害福祉サービスを利用していない人を対象とした登録制の緊急時相談支援事業、成年後見制度の利用などを支援していく。

 佐藤市長は「近年の高齢化の進行などに伴い障害者の親亡き後への支援は、早急に取り組むべき重要な課題の一つ」とした上で、「当事者団体や関係機関と意見交換を行うなど市民の声を幅広く聴取しながら、障害者が地域で安心して暮らし続けられるよう支援を充実していく」と答弁した。

 親亡き後の支援で市はこれまで、障害者が親元を離れてグループホームを体験する「体験的宿泊支援事業」などを実施。本年度は新たに講演会「障がいのある子の将来を考える」の開催や、弁護士による財産管理などに関する個別相談会も始めた。