「みんなが笑顔で乾杯できるって素晴らしいことですね」。6月下旬、大阪・関西万博会場。本県ブースで来場者を出迎える「田村律之助(たむらりつのすけ)顕彰会」の鈴木廣志(すずきひろし)会長(65)の言葉に実感がこもる。真っすぐなまなざしが印象的だった。

 田村は旧大平町出身。明治期の本県でビール麦の契約栽培を普及させ、「ビール麦の父」とも称される。顕彰会は昨年2月、漆と麻布を重ねた技法で田村の立像を制作。万博会場に出展すると聞き、同行させてもらった。