◎今週の一推しイベント
【13日(土)】
▽「サイボウズが運営する子どもたちの学び場『楽校』」(ウェブサイトで募集要項を公開、武蔵野市)
多様な働き方を導入するIT企業「サイボウズ」の取り組みの一つ、小学生を対象としたフリースクール「楽校(がっこう)」が、体験希望者の見学を受け入れている。
不登校やひきこもりの子どもたちの“居場所”“学び場”として、2024年4月、吉祥寺に開校。自由を重んじる同社の理念と、既存の学校教育に違和感を覚える保護者の声が重なって生まれた。子どもたちそれぞれのペースを大切にし、ユニークな個性を引き出すことを目的とする。
日の当たる教室で、教師2人が見守る中、小学3~5年の児童7人が段ボールでゴム動力の車を作っている。小学校の理科の授業に沿った内容だ。自由に動き回り、笑い声や、驚きの声を上げる伸び伸びとした姿が印象的。
教師の慶徳大介さんは「小学校での奇声や多動を理由に楽校に来た児童もいる。ここではそんな自分を出していいと感じさせ、自己肯定感を育んでいる」と話す。学習指導要領を参考にしたカリキュラムも特色で「フリースクールにいたことが、子どもたちの自信につながるような学びを提供したい」と語る。
楽長(代表)を務める前田小百合さんは三女の不登校をきっかけに、自ら同校の立ち上げを推進した。「社会が変化しても学校環境はそれに追い付いていない。不登校やひきこもりの子にレッテルを貼らずに、将来への希望を見つける土台づくりが必要だ」と話す。
授業が終わりランチの時間になると、子どもたちは教師たちと教室を飛び出していく。前田さんはその元気な姿を見ながら「人と違う自分を認める体験が無限の可能性につながっていると、多くの人に知ってほしい」と語った。
○そのほかのお薦めイベント
【13日(土)】
▽「新しいオフィスの在り方を体感」(渋谷区・恵比寿ガーデンプレイス)
オフィス家具の製造・販売会社「プラスファニチャーカンパニー」が、恵比寿の同社オフィスを、予約制で見学できる「ライブショーケース」として展開している。
ワークスタイルの変化に対応した執務スペースの設計が特徴。2022年の開設以来、約3万人が見学に訪れた。テレワークの普及が一段落したポストコロナ時代に「オフィスに集まる意義」「人が居心地よく働ける空間づくり」を、見学者と共に考える場となっている。
共同作業に適したテーブルやソファ、一人で仕事に集中できるデスクなど、目的や用途に合わせたエリアで構成。同社のデザイナーや事務職などさまざまな職種の社員たちの働き方に直接触れられる。キッチンカウンターや、椅子が置かれた複数の雑談コーナーでは、会議後の仲間とのコミュニケーションで偶発的なアイデアが生まれるという。照明は時間帯により最適な照度と色温度に調整され、天井や床、デスクには植物(グリーン)を配置、従業員の心身を癒やす工夫を随所に凝らしている。
カンパニープレジデントの北尾知道さんは「現代は生活と労働を分けられない時代。個としての従業員を大切にした“人間中心”の空間を目指す傾向がある。私たちが製造するオフィス家具や空間のデザインも、こうした人的資本経営を基盤にして考えていく必要がある」と語る。
AI時代、オフィスは事務作業をする場所ではなく、新たな創造の場に変貌を遂げているという。「人と人の出会いが変革や知恵を生み出し、オフィスの枠を超えて街や地域に溶け込み、社会をつなげていくのだと思う」
▽「フィレンツェの香りに触れるクリスマス ポップアップイベント」(~25日、中央区)
13世紀にイタリア・フィレンツェで設立された世界最古の薬局を起源とするフレグランスブランド「サンタ・マリア・ノヴェッラ」のポップアップストアが、松屋銀座で開催されている。
フィレンツェ本店の趣を再現した空間に、ルネサンス時代を感じさせるアートの演出を工夫し、伝統的な“香りの文化”を体験できる場として展開。14世紀に修道院で薬用に作られた化粧水「ローズウォーター」や、16世紀にメディチ家のために製造された香水に起源を持つオーデコロンなどの香りを楽しめる。
ショーウインドーにはブランドの香水、キャンドル、ソープなど多彩なコレクションを展示。香りと共にある生活の豊かさを伝えている。美しいカードにイタリア語や英語で「メリークリスマス」などの文字を入れるイベントも(13~14日、20~21日)。カリグラフィーアーティストが伝統の職人技を披露する。
▽「TRUNK(HOTEL)のクリスマスディナー」(予約は23日まで、渋谷区)
神宮前にあるブティックホテル「TRUNK(HOTEL)CAT STREET」のメインダイニング「TRUNK(KITCHEN)」が、24~25日限定で提供するクリスマスディナーの予約を開始している。
今年のテーマは「GIFT(ギフト)」。シェフの宮沢政弘さんは「全国各地の厳選した冬の味覚を贈り物としてお客さんに届け、ぜいたくに味わってもらえればうれしい」と話す。
6品と7品のディナーコース2種を提供。エゾシカや信州サーモン、青森の寒平目、福井の寒サワラ、鹿児島の豊優牛などの食材を使用した特別な品目をそろえた。デザートには栃木のイチゴを使用した。
山梨のマスカットなどをぜいたくに使ったクリスマスケーキも販売(予約は17日まで)。
ポストする














