「かぬまふるさと大使」の委嘱を受け、報道陣の取材に応じる今井投手=11月26日午後、鹿沼市

 プロ野球西武からポスティングシステムで米大リーグを目指す鹿沼市出身の今井達也(いまいたつや)投手(27)=作新学院高出=は19日までに下野新聞社の単独取材に応じ、「ちゃんと契約できるのかという不安が3割、活躍できる自信は7割」などと胸の内を明かした。

 今井投手は2016年夏の甲子園で作新学院高のエースとして同校を54年ぶりの全国制覇に導いた。同年のドラフト会議で西武から1位指名を受け17年に入団。23年から3年連続で2桁勝利を挙げ、昨季は最多奪三振のタイトルを獲得した。

 球速150キロ台の直球と、変幻自在の切れ味鋭いスライダーなどが武器。今季は24試合に登板し、163回2/3を投げて10勝5敗、防御率1・92、奪三振178などの記録を残し、大リーグ関係者の評価も高い。

■不安と自信のバランス

 12月下旬となり、移籍交渉は大詰めを迎えるが、自身は国内でトレーニングに励むなどしている。いつもと違うのは、「代理人からいつ(米国に)来てくれと言われるか分からない状態」であることだ。

 取材に応じる語り口はいつも通り軽妙だが、その中に少しの不安と期待が入り交じる。

 「正直、ちゃんと契約できるのかなという不安は3割くらいある。でも、(大リーグに)行ったら活躍できる自信は7割ある。それくらいのバランスでいるのがちょうどいい」。今の状況を楽しみ、確かな自信ものぞかせる。

 新天地を選ぶにあたって、重視する基準はシンプルだ。「どれだけ自分を必要としてくれているかという(球団側の)熱意です。それに応えるプレーをしたい」

 もともとメジャー志向ではなかった。「このチームでプレーするために頑張ってきたとか、このユニホームを着たいという願望はない」。憧れのチームも、立地条件もない。「どの球団が自分を最も熱望してくれているか」を見極めたいという。

 ただ、「自分はリリーフピッチャーではない。どこも中継ぎ起用は考えていないと思う」と、先発マウンドにはこだわりを見せる。