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【杭州(中国)2025年12月19日新華社=共同通信JBN】「帆を揚げて風に乗り、果てしない海を渡ろう!」。Zheshang Securities Co., Ltd.(浙商証券)のLi Chaoチーフエコノミストは、この心が躍るような宣言を発し、中国の第15次5カ年計画の初年度となる2026年の中国経済と資本市場に楽観的な見方を示しました。

 

Li氏は先駆的な自身の4レベル分析フレームワークを活用し、マクロ経済のファンダメンタル、成長ドライバー、投資機会を包括的に分析し、今後1年の明確なロードマップを投資家に提供しました。

 

▽4レベルフレームワークが経済論理を解き放つ:質の高い発展へと導く星

 

2026年の経済見通しに対する市場の見方が分かれる中、Li氏は中国経済を理解するには、その本質的な運営ダイナミクスを把握する必要があり、その鍵となるのが同氏の4レベルフレームワークだと強調しました。

 

このフレームワークは純粋な経済成長への狭い焦点から脱却し、中国と米国の競争、社会の安定、構造転換、そして経済成長という4つの中核的な政策変数を明確な重要度の順に優先順位付けしています。

 

2026年に向け、このフレームワークは質の高い発展が主導する構造転換という中核的な物語を明らかにしています。Li氏は、こうした転換は単独で追求されるのではなく、成長のレジリエンスを保護しながら着実に前進していく必要があると強調しました。根本的には、現在の経済拡大の重要な柱である輸出は、貿易摩擦という逆風の中でも強いコストパフォーマンスの優位性によって安定した成長を維持し、構造調整のための確かな緩衝役になっています。

 

構造改革に向けた市場の信頼は高まっています。Li氏は、改革にはコストが伴うことが避けられないと認識しつつも、2025年以降、信頼は力強く回復しており、この傾向は2026年にさらに勢いを増し、安定した経済的成果を支える重要な心理的支柱になると指摘しました。

 

2025年の最初の3四半期のデータはこの発展を裏付けています。中国のGDPは前年比で5.2%成長し、設備製造業とハイテク製造業の付加価値生産高の割合は引き続き上昇し、「新たな高価値製品」(電気自動車、リチウムイオン電池、太陽電池)の輸出は2桁急増しました。これらの数字は構造転換による確かな成果を裏付けるものであり、Li氏の評価とも一致しています。

 

▽流動性が市場の上昇トレンドを後押し

 

Li氏は、市場の中核的な推進力として金利の低下を指摘しました。2025年以降、市場の信頼が着実に回復したことで資本市場への流動性流入の障壁が取り除かれました。この信頼の勢いが2026年まで続く中で、低金利による評価押し上げ効果が顕在化するでしょう。

 

この論理は国際市場のパターンと一致しています。米国における35年間の金利下降トレンド(1984-2020年)では、株式と債券の同時上昇相場が常態化していました。経済回復が弱含みの時期でさえ、緩和的な金融政策が株価上昇を支えました。同様に、日本も2013年から2019年にかけて大規模な量的緩和(QE)を開始した後、金利低下の中で株式・債券両方の上昇相場を経験しました。中国の現在の金利環境と信頼回復の軌道は、このダイナミクスを再現する基盤を築きつつあります。

 

▽明確な投資戦略:テクノロジーと配当を2本の柱に

 

Li氏は、金利低下の恩恵を受ける2つの重要セクターとしてテクノロジー株と配当株を挙げました。どちらも金利の変動に影響されやすいものの、中国と米国の競争がリスクセンチメントを形成する主要因として浮上する中、それぞれが明確なリスクアペタイトに対応しています。

 

テクノロジー株は長期的な評価の見直しによる恩恵を受けるでしょう。Li氏は、低金利が将来的キャッシュフローの割引率を大幅に引き下げ、テクノロジー企業の長期的な成長の可能性が浮き彫りになると説明しました。同氏は、投資家は短期的な収益性だけでなく、技術革新と市場拡大による長期的なリターンを重視すべきと主張しました。この見解は、2025年以降のハイテク製造業の付加価値生産高が前年比で9.6%成長していること、そして産業用ロボットなどの新興製品の成長が堅調に伸びていることによって裏付けられており、ハイテクセクターの力強い勢いを示しています。

 

一方、配当株は相対的に有利なリターンを提供します。クーポン債券レートの低下を背景に、高配当株は債券リターンと同等あるいはそれを上回る安定した配当利回りを提供し、アセットアロケーションにおける「安全な避難先」としての地位にあります。相対的評価の観点から見ると、A株の配当セクターには依然として評価回復の余地が大きく、リスクアペタイトの低い投資家にとって第一の選択肢になっています。

 

Li氏は、これら2つのアセットクラスが有する特性に基づき、明確なアロケーション戦略の大筋を示しました。それは中国と米国の間の緊張が高まってリスクアペタイトが低下する局面では配当株を優先し、二国間関係が緩和されリスクセンチメントが改善する局面ではテクノロジー株へシフトするというものです。この戦略は金利低下という中核的論理に立脚しつつ、主要変数のわずかな変化も考慮しており、投資家に実行可能な意思決定ツールを提供しています。

 

ソース:Zheshang Securities Co., Ltd.