今回はアマチュアゴルファーの夢であるホールインワンの話だ。

 米国ゴルフレジスターが公表している数字によれば、初心者を含む全てのゴルファーを対象にしたホールインワンの出る確率は3万3000分の1の確率だそうだ。中級者以上のアマチュアとなると8000~1万4000分の1の確率。ツアープロの場合、3700分の1の確率らしい。

 全てのゴルファーを対象にした確率で計算すると、18ホールで四つのパー3があるとして約8200ラウンドに1回の割合で出るということになる。週1回のラウンドだと年間、52週として52ラウンド。約158年の歳月がかかるわけだ。

 途方もない確率に思えるホールインワンだが、タカ坊は何と4回の経験がある。エース達成者は周囲にも多くいる。よくラウンドする仲間でも10人はいる。「夢」「至難の業」と言われるが、この確率を大幅に超えているようだ。

 長いゴルフの歴史において、最初にホールインワンを達成した人物はスコットランド人のヤング・トム・モリスことトーマス・モリスだと言われている。1869年9月16日に行われた全英オープンの第1ラウンド、166ヤードの8番パー3のティーショットをカップインさせたと伝えられている。最年長は米国・フロリダのガス・アンドレオンさんで103歳の時、114ヤードをドライバーでカップインさせて生涯8回目のエースを奪ったという。

ホールインワン
ホールインワン

 記録を見てみると、驚くものが多い。2021年5月の国内女子ツアー、リゾートトラストレディス第2日に山路晶(やまじあきら)が2度のホールインワンを達成、ギネス世界記録に認定された。5月28日に行われた第2ラウンド前半3番(150ヤード、パー3)は9番アイアンで、7番(175ヤード、パー3)では7番アイアンでホールインワンを達成した。

 有村智恵(ありむらちえ)はさらにすごい。2011年7月15日、スタンレー・レディース第1日で8番パー5(503ヤード)で3番ユーティリティーでアルバトロスを、16番パー3(137ヤード)ではホールインワンを達成した。1日でアルバトロスとホールインワンを決めるのは、女子の世界主要ツアーでは初めて、日本プロゴルフでは男女通じて初だった。同一ラウンドで両方を達成する確率は、1081万ラウンドに1回。仮に、毎日ラウンドしても2万9614年に1度しか起こらない計算になる。翌日のスポーツ紙では「3万年に1度の奇跡」と取り上げられた。

 世界に目を向けてみると、最多記録はマンシル・デイビスの51回。PGA(米プロゴルフ協会)ツアー最多ホールインワンはロバート・アレンビーとハル・サットンで10回。ヒューバート・グリーンとギル・モーガンが8回で続き、女子ではキャシー・ウィットワースが11回と断トツだ。

 レジェンドたちはどうか。“帝王”ジャック・ニクラウスが試合でマークしたのは3回のみだが、練習ラウンドやプライベートを含めると計20回のホールインワンがあるという。アーノルド・パーマーも公式記録は3回だが、プライベートを含めると19回。ゲーリー・プレーヤーとタイガー・ウッズはともに18回(プライベートでのラウンドを含む)だそうだ。

 県内大会でも近年、多くのホールインワンが出ている。2025年は県女子アマで初めてエースが出たほか、多い年では4回の年もあった。

 多くのアマチュアゴルファーよ、チャンスはある。グリーンではなく、ピンを狙ってショットしようではないか。