久保田弘敏さん(右)。学生とともに人工衛星開発の道を切り開いてきた=2021年9月24日、宇都宮市豊郷台1丁目

 航空宇宙工学者の久保田弘敏(くぼたひろとし)さんは長年、専門の空気力学、空気熱力学の研究や教育に心血を注いだ。多くの教え子が宇宙航空研究開発機構(JAXA)など宇宙、航空関係で活躍している。

 和歌山県に生まれ、高校1年の時に家族で日光市に移り住んだ。日光高(現日光明峰高)から東京大に進学した。当時は日本の宇宙開発の黎明(れいめい)期。地球に帰還する宇宙機を大気圏突入時の熱から守る仕組みを深めたい-。大学、大学院から旧科学技術庁航空宇宙技術研究所、米航空宇宙局(NASA)へと、時代の熱気の中で研究に明け暮れた。

(12月21日、病気のため死去)