能登半島地震追悼ともしび会に向け、石崎さん(左)らと話し合う柾木さん(右)=26日午前、石川県輪島市町野町

 能登半島地震は1日で発生から2年となる。社会福祉士の柾木美登利(まさきみどり)さん(51)は宇都宮市から石川県輪島市に移住し、地元住民に寄り添う活動を続けている。ボランティア活動で現地へ足を運ぶうち、人の優しさや風土に心を動かされ、居を構えて力になろうと決意した。2年間で建物の解体や道路の復旧は進んだが、被災者の心のケアや地域の絆の再興は道半ばだ。「100人いれば100通りの物語がある。来て、聞いて現状を知ってほしい」と訴えている。

 26日午前、輪島市町野町金蔵(かなくら)の正願寺。大雪の中、地元のNPO法人「やすらぎの里 金蔵学校」のスタッフの中に柾木さんの姿があった。

 代表理事の石崎英純(いしざきえいじゅん)さん(75)らと元日に行う「能登半島地震追悼ともしび会」の準備が大詰めを迎えていた。「風化させないためにずっと続けていきたい」と言葉に力を込めた。

 認定NPO法人「とちぎボランティアネットワーク」(とちぎVネット)の活動に参加して被災地入りしたのは、発生から約5カ月後だった。「昨日地震があったのではと思うくらい至る所がぐちゃぐちゃで、ひどい状況だった」