従業員による企業買収を完了した小平興業=宇都宮市

 2000年代の初めに一時、経営難に陥った建設業の小平興業(宇都宮市西川田町、石黒靖規(いしぐろやすのり)社長)は15日までに、従業員による企業買収(EBO)を完了した。建設不況による受注の減少などで経営不振に陥ったが、2006年に社員らが出資者となって再建に着手。コストカットや事業の見直しを徹底し、業績を回復させた。社員が昨年、持ち株会社を設立して全株式を取得し、自主再建を果たした。

 同社は1960年、機械土木工事業者として創業した。造成工事を得意とし、最盛期の99年8月期には売上高が81億円超に上った。しかし、受注環境の冷え込みや保有するゴルフ場の業績悪化などの影響で経営難に陥った。

 2006年にはメインバンクの足利銀行が債権放棄と債務の株式化(DES)を実施。当時の社長ら旧経営陣が退陣して100%の減資を行った。その後、社員4人と宇都宮市のビルメンテナンス会社が新たな出資者となり、事業を再スタートさせた。

 保有していた重機を売却してリースに切り替えるなど、コスト削減を徹底。造成工事に加え、河川や道路などの構造物工事や耐震化工事など、事業の幅も拡大した。北海道新幹線や北陸新幹線の延伸、東日本大震災の復興事業などで受注を重ねて業績を回復させた。24年には無借金経営となった。

 社員が出資して25年7月に持ち株会社を設立。社外の出資者から全株式を買い取り、同月にEBOが完了した。25年8月期の売上高は約33億3500万円となっている。石黒社長は「従業員やその家族、支援者に感謝したい。今後は公共インフラ整備を通じて恩返しをしていく」と話している。