銘柄「旭興」を醸す渡邉酒造(大田原市)は、八溝杉の木桶(おけ)で仕込んだ「旭興 辛口 純米吟醸 山卸廃止酛」を造って7年目になり、八溝ならではの独自の味わいを追求している。
八溝山地の懐深く、大田原市須佐木地区にある雲岩寺近くの渡邉酒造は、四方を八溝杉の山林に囲まれている。八溝杉は江戸時代から育成保護され、関東きっての良材として木材業界では高い評価を受けている。しかし、近年の外材の輸入や建築方法の変化により、日本全体のと同様に厳しい状況にある。
同蔵はこの良材が少しでも世に広がればという思いから、木の選定、伐採に立ち会い、大阪府の木桶業者に製作を依頼して千リットルの木桶1基を導入した。
仕込み水と同じ水で育った八溝杉の木桶で仕込む。酒母の製法も自然から取り入れた乳酸菌が乳酸を造り出す環境を整え、酵母が育ちやすくした環境をつくる「山廃仕込み」を採用。山廃仕込みは一般製法の速醸酛使用に比べ2~4倍の時間がかかり、水、木桶、自然の乳酸菌と、八溝の風土を十分取り入れることに注力した。
さらに50%まで磨いた栃木県産オリジナル酒米「夢ささら」を、栃木県産酵母「T-デルタ」を自蔵で改良した酵母で醸し、「八溝」ならではの独自の味わいに仕上げた。
アルコール度数16%、日本酒度はプラス10・5の辛口。山廃仕込みはしっかりとした味わい深さが特徴だが、醸造直後だと、辛いため少し薄味に感じられることから、約半年の熟成を経て飲み頃を待って出荷しているという。
価格は720ミリリットルが1925円。

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