栃木県の信用保証制度を学ぶため来日した中央アジアのキルギス政府系金融機関の視察団一行は28日、同制度の支援事例として日本酒蔵ながらウイスキー事業に参入した西堀酒造(小山市)を視察した。
団長でもあるバキロフ・アバイ氏が「母国でこの視察が決まった時から(西堀酒造を)訪問するのを楽しみにしていました」とあいさつし、キルギスのコニャックを贈った。一行は蔵見学や支援内容説明の後には日本酒やジャパニーズウイスキーなどを試飲し、日本の酒文化を堪能した。
西堀酒造がウイスキー事業に参入する際、県信用保証協会や金融機関が連携したことにより迅速に支援、対応できたとして、視察先に選ばれた。新型コロナウイルス禍で会食が控えられ、日本酒需要が大きく落ち込む中、2021年、同酒造は国支援施策の事業再構築補助金を活用したウイスキー製造事業に着目した。
補助を申請するための事業計画作成が第1次募集締め切り直前になったにもかかわらず、窓口となった足利小山信用金庫が迅速に対応し、締め切りに間に合った。その後、県信用保証協会も支援に入り、ウイスキー事業の専門家派遣、ブランディング会社の紹介など融資と一体となって支援した。西堀和男(にしぼり・かずお)社長は「こうした支援がなかったらウイスキー事業は計画通り進められなかった」と信用保証制度の有用性を語った。
一行は150年以上続く日本酒蔵を見学。西堀哲也(にしぼり・てつや)専務は「ワインでは栽培されたブドウがテロワールだが、日本酒は水がテロワールだ」と、創業時から利用している井戸の日光山系伏流水のよさを説明。また醪(もろみ)の対流を見られる透明なアクリルタンク、この透明タンクに波長の異なる光を照射することで味わいをコントロールする独自の手法を紹介した。
ウイスキー製造の日光街道小山蒸溜所では、清酒酵母を使った麦芽の発酵、真空状態で蒸留して香りを最大限引き出す手法など、蒸留所の独自性を説明した。
バキロフ・アバイ氏は「日本酒は日本の伝統文化の一部であり、詳しく知りたいと思っていた。実際に見て、その長い歴史と、そこに注ぎ込まれた多大な努力に非常に感動した」と感激していた。
ウイスキー事業への参入、信用保証協会などの支援についても「現状に甘んじず、前進し、製品の幅を広げているのは素晴らしい。将来、この蒸留所が世界的に有名になり、『数年前にあの蒸留所を訪れたんだよ』と誇らしく語れる日が来るのを楽しみにしています」「(西堀酒造の事例は)非常によいケーススタディーになった。帰国後、キルギスの企業も新しい分野に挑戦できるよう導きたい」と語った。

ポストする





