トラック運転手の労働時間規制に伴い物流の停滞などが懸念された「2024年問題」で、県トラック協会が初の実態調査を行った。時間規制導入の良い面について運送事業者側は「ドライバーの労働時間を削減できた」などを挙げた半面、職場環境の改善にも「(慢性的なドライバー不足に加え)採用が困難になった」などの回答が目立った。

 一方、荷主企業側は具体的な影響に関して「物流コストの増加」が最も多く、「配送スケジュールの変更」などが続いた。「荷待ち・荷役時間が長い」を巡る運送側と荷主側の認識の違いも判明した。

 調査で浮き彫りになった課題を運送・荷主側が互いに共有して実効性ある打開策を見いだし、ドライバーの人材確保やコスト削減を図りたい。

 アンケートは昨夏実施し、協会会員の運送事業者877社などのうち495社が応じた(回答率56・4%)。荷主企業は200社が対象で67社が答えた(同33・5%)。

 運転手の拘束時間を短縮するなどした国の「改正基準告示」に「順守できていない基準がある」と回答した運送事業者は全体の2割を占めた。理由の多くは運転手が配送拠点で待機する「荷待ち時間が長い」などだった。

 これに対し県内の荷主企業の9割は「荷待ち・荷役時間の削減に積極的、またはある程度取り組んでいる」と回答し、ほぼ半数はドライバーの待ち時間について「全て把握している」などと答えた。24年問題に関した両者の意識が高まる中、受け止めや考え方の違いも明らかになった。

 調査結果に協会は「運送側はドライバー不足や荷待ち時間の長さなど労務面を重視しているのに対し、荷主側は物流コスト増や納期面への関心が強い」とした。物流業界が構造的に抱えている問題を端的に示したと言えよう。

 運送側と荷主側は、国が示す標準的運賃を適用するよう連携して業務の効率化とコスト削減に努めるべきだ。ドライバーの年収は全産業平均より10~20%低いとされる。賃金が低い上に労働時間が長ければ、人材は確保できない。

 運送側が荷主側と交渉を重ね、事前に配車予定を提出することでトラックの到着と同時に積み込みができるようになった県内の好例なども少なくない。持続可能な物流の維持に向けて業界全体で知恵を絞る必要がある。