子どもたちにも下野新聞の魅力を伝えたい。本紙記者なら誰もが抱く切実な願いです。小山城東小4年松本芽依(まつもとめい)さん(10)は、昨夏の本紙に掲載された広島原爆の日のルポを読み、感想や意見をまとめて応募した「いっしょに読もう!新聞コンクール」(日本新聞協会主催)で優秀賞に輝いた若き読者。紙齢5万号を記念し、ルポを執筆した鈴木祐哉(すずきゆうや)記者(31)と、取材時の工夫や記録することの意義について語り合いました。
対談した松本さん(左)と鈴木記者
対談した松本さん(左)と鈴木記者

 鈴木記者 松本さんのノート、質問がびっしりですね。

 松本さん 忘れないようノートにまとめてきました。

 鈴木 私も取材前は必ず質問を書き出します。準備を大切にする姿勢は記者と同じですね。なぜこの記事を選んだのですか。

 松本 授業やテレビで「戦後80年」と聞き、詳しく知りたいと思いました。県内の被爆者の方や中学生が広島へ行く記事を読み、身近に感じたからです。執筆ではどんなことを工夫しましたか。

 鈴木 被爆者の悲しみや平和への思いを、栃木の人にも「自分ごと」として受け止めてもらえるよう、原爆の日の式典に出た本県の遺族や中学生の姿や声を丁寧に伝えることを心がけました。最後の一文の「伝えることを諦めない」は私自身の決意です。

 松本 記事を読み、小山市の博物館で開かれていた戦争に関する企画展へ行きました。戦時中に着ていたボロボロの服や手紙を見て、平和の大切さが本当の意味で分かった気がします。

 鈴木 現地に足を運ぶのはとても大事なことですね。スクラップにも挑戦していますが、苦労や楽しさはありますか。

 松本 記事に出てくる難しい漢字を辞書やタブレット端末で調べるのは大変ですが、パズルみたいにレイアウトを考えるのは楽しいです。

 鈴木 情報を調べるときも、新聞を活用していますか。

 松本 インターネットは便利ですが、間違っていることもありますね。記者の皆さんが調べた「本当のこと」が載る新聞は信じられます。

スクラップのこだわりなどを語り合った松本さん(左)と鈴木記者
スクラップのこだわりなどを語り合った松本さん(左)と鈴木記者

 鈴木 松本さんと同年代にも読んでもらうにはどうすればいいでしょう。

 松本 自分たちと同じ、小中学生が頑張っている話題が載っていると、共感して読みたくなるはずです。鈴木さんは若い世代の記者ですが、5万号の歴史をどう感じますか。

 鈴木 昔はインターネットもなく不便で、鉛の活字を地道に組み合わせるなど新聞を作るのは本当に大変だったと聞きます。現場に足を運び、自分の目で見て記事を書く。先輩たちが続けてきた努力を、自分もつないでいきたい。松本さんが記事の感想として添えてくれた「記憶を記録に」という言葉にも、伝えることへの強い思いを感じました。

 松本 被爆者の方が少なくなっていると知り、今ある「記憶」を「記録」として残さないと忘れられてしまうと思いました。いつか子どもが生まれたら、新聞で読んだことや母から聞いた曽祖母の戦争体験などを、大切に伝えていきたいです。

 鈴木 私も記者として何を伝えられるか、いつも考えています。松本さんも松本さんなりのやり方で、伝えることを諦めず頑張ってくれたらうれしいです。

まつもと・めい 2024年、しもつけ新聞スクラップ作品コンクールに初めて応募し最優秀賞。習い事はピアノ、体操、水泳。
すずき・ゆうや 高根沢町出身。2020年入社。日光今市総局、くらし文化部などを経て報道部記者。趣味は読書、サッカー観戦。
鈴木記者が執筆し、松本さんが思いをまとめた「広島原爆の日」の本紙記者ルポ(2025年8月7日付)
鈴木記者が執筆し、松本さんが思いをまとめた「広島原爆の日」の本紙記者ルポ(2025年8月7日付)