県は第6期とちぎ男女共同参画プラン(2026~30年度)最終案をまとめた。本県の課題である男女間賃金格差や女性の転出超過の解消に向けて、新たな目標を掲げた。
ジェンダー平等は性別にかかわらず、全ての人が個性や能力を発揮できる社会につながる。人口減少が進む中、これまでより一段上のステージで取り組みを加速させたい。
プランは男女共同参画社会基本法に基づく計画で、01年度から5年ごとに見直してきた。今回は先進7カ国(G7)男女共同参画・女性活躍担当相会合が23年に日光市で開かれた後、初の改定となる。
同会合の「日光声明」で取り上げられた重要課題の一つが「女性の経済的自立」だった。本県は男女の賃金格差が大きく、23年には全国ワーストとなった。
要因に男女間の勤続年数や管理職に占める割合の差が挙げられる。出産や育児を機に離職したり非正規労働に移行したりする女性が多く、本県の女性の非正規労働者の割合は全国平均を上回る。
こうした現状を踏まえ、次期プランには女性の正社員としての平均勤続年数を現状の10・9年から11・5年に延ばす目標や、女性管理職のいる企業の割合を45・6%から58・0%に増やす目標を新たに盛り込んだ。
実現するには、職場における固定的な性別役割分担意識やアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)の解消、仕事と家庭生活を両立できる働き方への見直しなどが必要だ。特に企業トップの意識を変えられるかどうかが鍵となるだろう。
県男女共同参画審議会では「女性は子育てや介護で大変だから」との先入観から重要な仕事を任されず、キャリアアップの機会を奪われることがあるとの指摘があった。決めつける前に本人の意向を聞き取り、働きやすい環境を整える姿勢が求められる。
県は26年度当初予算案に、企業における女性登用を支援するための研修や、無意識の思い込みなどに関する啓発活動の事業費を盛り込んだ。
女性が地元を離れ東京などの都市部を目指す背景の一つに、地方にある固定的な性別役割分担意識の影響も指摘される。男女格差の是正は、女性から選ばれる県を目指す取り組みにもつながる。県人口の転出超過が続く中、意識変革は官民共通の課題である。
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