県立夜間中学「とちぎ学びの夢学園」が今春開校する。入学予定者は1月末時点で30人を超え、さらに増える見通しという。年代は10~70代と幅広く、国籍も日本を含め8カ国と多岐にわたる。全ての生徒が学業に励み、将来を切り開けるよう、県教委は市町、地域と連携し、万全の体制で臨むべきだ。
本県初となる公立夜間中学は、栃木市の県立学悠館高内に設置される。不登校などで十分な義務教育を受けられなかった人や、外国出身で日本の義務教育を受けていない人などの入学が想定される。県教委によると、現時点で3分の2が外国籍を持つ。
規模は1~3学年で各学年35人以内の1学級。学年ごとの学習のほかに小学校の内容を学ぶコースや、日本語の基礎を学ぶコースも設ける。日本語が不十分な生徒にも門戸を広げた意義は大きい。
一人一人の学力や課題に合わせたきめ細かな指導を行うには、教員の加配も必要となるだろう。さまざまな境遇の生徒がいることを踏まえれば、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、日本語指導員など専門スタッフの配置も求められる。
経済的に苦しい生徒の支援には、市町の協力も欠かせない。2024年度の文部科学省の調査によると、夜間中学を設置する全国の自治体(7県40市区)のうち、7割以上が就学援助に相当する経済的支援を実施している。
就学援助は経済的理由で就学困難な小中学生を対象に、市町村が行う。県教委は夜間中学の生徒も対象とするよう、県内の市町に求めているが、どれだけ実施するかは未定という。授業料や教科書代は無料だが、学習用品や交通費は生徒の自己負担となる。市町間で差が出ないよう速やかに制度を構築すべきだ。
地域に開かれた学校となるよう、民間の支援団体を加えた学校運営協議会のような組織を設置することも検討してはどうか。特に宇都宮、小山、栃木市などで民間団体が実践してきた自主夜間中学との連携は重要だ。指導法や生徒との向き合い方など、公立夜間中学の教職員にも役立つノウハウを共有できるだろう。
夜間中学に在籍できるのは原則3年。校長の判断で延長することも可能だが、退学もあり得るという。入学した生徒全員が卒業できるよう、支援体制を充実させたい。
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