県警が2025年の1年間に認知した刑法犯は1万2780件に上り、3年連続で増加した。20年ぶりに増加に転じた23年以降は微増が続く。もはや一過性ではなく、新たなフェーズに入ったと捉えるべきである。

 体感治安にも影響を及ぼしており、25年度の県政世論調査によると、県内の治安状況について「悪い」と答えたのは11・9%おり、前年度より3・8ポイント悪化した。「由々しき事態」とする県警には検挙、啓発に努めてもらうとともに、私たち県民も日常から警戒を強めたい。

 刑法犯の認知件数は4万469件を記録した03年にピークに達した。翌年から減り続け、22年には新型コロナウイルス禍も相まって戦後最少の8883件に減少。23年に一転、コロナの感染症法上の5類移行などに伴い人流が回復するなどし、前年比3割増の1万1932件を記録した。

 最近3年は窃盗犯がいずれも全体の7、8割を占めている。25年は前年比396件増の9819件あり、そのうち犯人と住人が鉢合わせし、強盗などの凶悪犯罪に発展する可能性がある「侵入盗」は1887件に上った。住宅を狙った窃盗だけに限ると、過去5年で最も多くなっている。

 県警は、被害が減少したコロナ禍の間に防犯意識が低下したことが一因とみている。

 無施錠の窓や玄関から侵入されたり、ガラスが割られ解錠されたりしたケースが大半を占める。一方、窓が二重ガラスで防犯フィルムを貼っていた場合は、内側の窓を割られず窃盗被害に遭わずに済んだケースもあった。犯人が侵入に手間取り、諦めた可能性がある。備えの大切さを教えてくれる。

 全体に占める割合こそ小さいものの、特殊詐欺被害などの知能犯被害も見逃せない。認知件数は前年比2割増の592件に増加。特に交流サイト(SNS)型投資・ロマンス詐欺の被害額は10億円を突破し、過去最悪を更新した。

 こうした身近な犯罪に対しては、その手口を知り、できうる対策をとることが大切だ。住宅対象窃盗であれば、犯人は人目に付くことや光や音、侵入に時間がかかることを嫌がるという。確実な施錠はもちろん、補助錠やセンサーライトの設置が有効で、これらを組み合わせることで効果はより高まる。被害に遭わないよう知恵を絞りたい。