県内で産業団地の造成意欲が高まっている。市町からは県への要望や相談が相次ぎ、ここ5年間で着手した団地は県の目標を上回る。

 県は新年度予算で、「半導体」「ロボット」「宇宙」を重点支援成長分野として育成する方針を示している。こうした企業の立地ニーズも増すとみられ、戦略的に企業誘致を行い、成長産業の集積地形成を目指すべきだ。

 本県は首都圏に近い立地環境や災害が少ないなどの好条件を背景に、以前から企業の立地ニーズは高かった。県によると、県内には現在、産業団地は119カ所あり、総面積は5061ヘクタールに上る。

 2025年度までの5年間を見ても、事業に着手した産業団地は200ヘクタールを上回る。県関係では現在、壬生町の産業団地が予約分譲中で、足利市と上三川町で事業実施中、高根沢町で基礎調査を行っている。

 企業の投資意欲は旺盛で、用地について常に引き合いがある状態だという。企業側から問い合わせがあっても紹介できる用地がないと機会の喪失になりかねない。ニーズを逃さないためにも、造成速度を加速させたい。

 産業用地の整備に、民間事業者の力を借りることも有効だ。規制緩和の特例がある地域未来投資促進法は、農用地区域内の農地や市街化調整区域の土地でも産業用地としての開発が可能になる。自治体が整備する産業団地と比較すると時間短縮も期待できる。

 県は新年度、市町と連携し同法を活用した整備モデルの創出を計画している。同法や自治体の産業団地整備に精通するアドバイザーを市町に派遣し、デベロッパーとのマッチングなどを行い整備を進めることを想定している。効果的なモデルを構築し、他地域へ横展開を図ってほしい。

 経済産業省の工場立地動向調査では、24年の県内工場立地件数は20件で全国15位だった。隣県の茨城は73件で1位、群馬は38件で8位だった。茨城県は新年度に大規模団地造成を計画するなど、同様に立地環境が良い隣県などとの地域間競争も激しさを増す。

 本県は新年度予算で、県内産業団地への企業立地などに対する助成制度を継続して実施する。こうした支援策を充実させるとともに、本県の魅力やポテンシャルを十分PRすることで、競争を勝ち抜きたい。