エレン・ケイが暮らしたストランド荘(photo:須長檀)(提供写真)

 テーブルクロス(作者不詳 1890)(左)と、プリント布「ウニッコ」(マイヤ・イソラ 1964 マリメッコ)(いずれもphoto:Kentauros Yasunaga)(提供写真)

 JUKIとミナ ペルホネンによるコラボレーションミシン「SL―3700 mina perhonen」(photograph:Reiko Toyama styling:Fumiko Sakuhara)(提供写真)

 東信さんのフラワーアレンジメントの写真を施したボックスにマカロン20個を詰め合わせた「ロゼ マティナール」(提供写真)

 映像「セルン」より、CERNの一般見学者のための施設「サイエンス・ゲートウェイ」(提供写真)

 エレン・ケイが暮らしたストランド荘(photo:須長檀)(提供写真)  テーブルクロス(作者不詳 1890)(左)と、プリント布「ウニッコ」(マイヤ・イソラ 1964 マリメッコ)(いずれもphoto:Kentauros Yasunaga)(提供写真)  JUKIとミナ ペルホネンによるコラボレーションミシン「SL―3700 mina perhonen」(photograph:Reiko Toyama styling:Fumiko Sakuhara)(提供写真)  東信さんのフラワーアレンジメントの写真を施したボックスにマカロン20個を詰め合わせた「ロゼ マティナール」(提供写真)  映像「セルン」より、CERNの一般見学者のための施設「サイエンス・ゲートウェイ」(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【7日(土)】

 ▽「北欧のテキスタイルと暮らし展」(~16日、中央区)

 豊かな表現にあふれたスウェーデンやフィンランドのテキスタイルを紹介する展覧会が、日本橋高島屋で開かれている。

 スウェーデンの思想家エレン・ケイが19世紀末に提唱した「美しさをすべての人に」という言葉がテーマ。暮らしの細部に心地よさを取り入れたケイらの思想が、北欧の社会をどのように形作ってきたかを、約100点の作品を通じて描き出す。

 19世紀の作者不詳のテーブルクロスから戦後のモダンデザイン、そして現代の表現を紹介。スウェーデンで活躍した斬新な色彩のヴィオラ・グロステン、幾何学的パターンを取り入れた“北欧モダンの旗手”アストリッド・サンペら巨匠たちの布地が並ぶ。マリメッコを代表するウニッコ(ケシの花)柄で知られるフィンランドのマイヤ・イソラの多様な作品も展示した。

 彼らの意匠に共通するのは“真の豊かさ”へのまなざし。どんな経済状況にあっても、美しいモノに囲まれて生きる権利が全ての人にあると語りかけているようだ。この公共的精神が、幸福度の高い北欧の現代社会につながっている。

 監修した北欧建築・デザイン協会前会長の川上玲子さんは「スウェーデンの大学に留学し、古いデザインを徹底して学んだ。どの時代のテキスタイルにもそれぞれ色あせない魅力がある。古い物を大事に受け継いでいく精神をこの場で感じとってほしい」と語る。

 長女で俳優の川上麻衣子さんは、スウェーデンで生まれ幼少期を過ごした。「小学校も優れたインテリア空間を持つ。そこでの教育が人々の個を育み、デザイン感覚を養う。そんなシステムが社会全般に行き渡っていると思う」と話した。

 単なる装飾を超え、感性を耕してくれる“生活の芸術化”を体感できる展覧会だ。

 ○そのほかのお薦めイベント

 【7日(土)】

 ▽「ミナ ペルホネンとJUKIの限定ミシン」(渋谷区、予約販売、なくなり次第終了)

 ファッションブランド「ミナ ペルホネン」と、工業用ミシンで世界シェアを誇るJUKIが、職業用ミシン「SL―3700 mina perhonen」の限定モデルを発表。代官山の「ミナ ペルホネン マテリアーリ」で展示し、限定500台をオンラインで予約販売している。

 縫うという実用的なミシンの機能に加えて、暮らしの空間に溶け込むデザインとインテリア性を実現。使い手が心地よく創作を楽しむ時間を生み出した。

 JUKIの事業企画担当、横田加奈子さんは「コンピューター制御のミシンなどデジタル技術を駆使した家庭用ミシンが最近の主流だが、職業用ミシンはきれいな縫い目とシンプルな操作で、実は初心者にも使いやすい」と話す。

 外観で目を引くのは、深みのあるマットディープグリーンのボディだ。理想の緑色と耐久性を実現するために材質と塗料にこだわり、工夫を重ねたという。ワイドテーブルにはミナ ペルホネンの代表的意匠「タンバリン」の模様を立体に施し、さらにその上で布を滑らかに動かせるように改良を重ねた。目盛りやダイヤルの数字も細部にわたってデザイン。意匠と機能性を両立させた。

 「ミシンでの手作りに試行錯誤はつきものだが、その経験も含めて、ものづくりは楽しい。洋服やバッグなど、新しいソーイングにもトライしてほしい」と横田さんは熱を込めた。限定モデルはミナ ペルホネンのショップpiece,Kyoto(京都)にも展示中。

 ▽「ピエール・エルメのホワイトデー コレクション」(港区ほか、なくなり次第終了、オンラインでも販売)

 フランスの高級菓子店「ピエール・エルメ・パリ」が、世界的なフラワーアーティスト東信さんとコラボレーションしたホワイトデーの限定コレクションを、青山本店などで販売している。

 花や植物が持つ神秘性を独自の造形でアレンジし、それらを写真家が撮影、マカロンやショコラのパッケージに採用した。東さんのアートと、エルメのスイーツの独創性が共鳴し合う企画となっている。

 注目はマカロン20個を丸いボックスに詰め合わせた「ロゼ マティナール」。ローズの香りで知られるピエール・エルメの代表作「イスパハン」や、レモンの爽やかな酸味が際立つ「アンフィニマン シトロン」など、軽やかな食感と濃厚なクリームの調和が楽しめる。取扱商品は店舗により異なる。

 【9日(月)】

 ▽「笠木絵津子映像プロジェクト『現代物理への旅』第4章『セルン;荒勝文策』第1回上映展」(~21日、中央区・ギャラリーQ)

 核爆弾や原子力発電を生み出した現代物理学の光と影を追う映像シリーズの最新作2本が、銀座の画廊で上映される。

 現代美術家の笠木絵津子さんが2022年に始めた企画。核実験場となった米ロスアラモスや太平洋マーシャル諸島をこれまで探訪してきた。

 今回は第2次世界大戦後に、戦争に加担しない研究機関を目指し設立されたスイス・フランス国境の欧州合同原子核研究所(CERN)と、原爆投下直後の広島で被爆土壌調査に当たった物理学者・荒勝文策の生涯を丹念に取材。各約60分のドキュメンタリーにまとめた。

 CERNではヒッグス粒子の存在を確かめた最先端の加速器や、働く科学者たちの姿を撮影。宇宙の起源を解き明かす未来へ思いをはせる。荒勝が戦前に加速器を造った台湾で、その今日的評価にも目を向けた。

 物理の研究者出身の笠木さんは「専門外の人も科学と生活の関わりや、なぜ人間は科学するのかを身近に感じてほしい」と話す。14日、高エネルギー加速器研究機構・前史料室長の菊谷英司氏とトークショーを開催。