「ゴルフギャグ」、皆さんは使っているだろうか。
例えば、ダフったときに使用する「噛(か)んだ正輝」「山本リキンダ」「長州力んだ」などの“おやじギャグ”である。それぞれ芸能人の神田正輝(かんだまさき)、山本(やまもと)リンダ、元プロレスラーの長州力(ちょうしゅうりき)にちなむ。知らない人同士がプレーする際、「会話がスムーズになるきっかけになった」「自らのミスを自虐的に表現することでメンタル面でも有効」というプレーヤーは少なくない。
それではいくつか紹介しよう。あと少しでグリーンに乗りそうなら「あわやのりこ」「三浦届かず」「てまえだぎん」など。それぞれ由来は芸能人の淡谷(あわや)のり子(こ)、三浦友和(みうらともかず)、前田吟(まえだぎん)。大きく左へ曲がるチーピンが出てしまったら「巻いてるジャクソン」(マイケル・ジャクソン)、「まいたきよし」(真板潔(まいたきよし))となる。トップボールを打ってしまったら「野口ゴロー」(野口五郎(のぐちごろう))、ダフったときには、ほかに「噛んだうの」(神田(かんだ)うの)「噛んだ神保町」(本の街で知られる東京・神田神保町)、「ダフティン・ジョンソン」(ダスティン・ジョンソン)もある。
パターでプロラインというのがある。ラインの外側に外れたときに使用するのだが、この場合は「プロライン洋子」(キャロライン洋子(ようこ))「プロライン・ケネディ」(キャロライン・ケネディ)。ボールがフェースを外しネックに当たるシャンクが出てしまったら「シャンク由美子」(釈由美子(しゃくゆみこ))と言うらしい。「銀座の花屋」はご存じか? ミスでトップボールを打ってしまったときに「ラン(蘭)で稼ぐ」という“深い意味”がある。
ちなみに解説をすれば、淡谷(1907~99年)は「ブルースの女王」とよばれたシャンソン歌手。真板はレギュラーツアー、シニアツアーで7勝を挙げているトッププロ。キャロライン洋子は日本の元タレント。キャロライン・ケネディは、第35代米大統領ジョン・F・ケネディの長女で第29代駐日米国大使となる。
ここまでは芸能人をはじめ著名人の名にちなむものが多かった。ゴルフギャグは枚挙にいとまがない。さらに、用法用例を紹介しよう。
「日光の手前」といえば旧・今市市。2006年に同市を含む5市町村が合併して現在の日光市が誕生し、今市市はなくなってしまった。ただ地名としては残っており、結果が「いまいち」だったときに使う。苦手なバンカーにつかまってしまったときは「イヤン・バンカー・ピンチ」。若い女性がバンカーにはまって「イヤ~ン、バンカーピンチだわ」と言ってるギャグと考えるでしょうが、それは早計。1991年の全英オープン優勝者、イアン・ベーカー・フィンチを引っかけています。
「カップ范文雀切れる」。グリーンで微妙なラインを読むとき、「カップ半分弱(切れる)」などと言うが、女優の范文雀(はんぶんじゃく)が語源だ。斜面に転がったときは「斜面ライダー」「斜面舞踏会」。お先に打つ場合には「ジャンボおさきです」(ジャンボ尾崎(おざき))。ダブルボギーをたたいたら、ロシア語よろしく「ダボチンスキー」。9打打ってしまったときは「球界(9回)の王者」。グリーン上でライン読みが長いプレーヤーには「読み過ぎ新聞」(読売新聞)。カップインを狙って転がすことは「転がし紋次郎」(木枯らし紋次郎)と言うらしい。よく考えたものである。
いったんスタートすれば、食事を挟んで約6時間近く共にするパートナー。初対面ならなおさら、ゴルフギャグは会話のきっかけになる。芸能人の名にちなむギャグは昭和のスターが多いだけに、年齢的な制限がある点はご注意いただきたい。しかし、最後に紹介した「ダボチンスキー」「球界の王者」などは、幅広い年齢層に通用すると信じている(信じたい)。ぜひ、活用をお薦めしたい。

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