2025年の都道府県別移住希望地ランキングで、本県が過去最高位の2位になった。地方移住を支援する公益社団法人「ふるさと回帰・移住交流推進機構」(東京都)が09年から集計しているもので、前年までは3年連続で3位だった。女性や若者など対象に応じた施策を展開し、成果を上げた形だ。県人口が減少する中で喜ばしい結果であり、この流れを逃さず、実際の移住者増につなげたい。

 本県は東京へのアクセスが良く、首都圏で働く現役世代が移住地に選択しやすい。豊かな自然があり、子育て環境にも優れている。ただ、同様の条件がそろう隣県の群馬は2年連続で1位を獲得。生成AIなどを活用した施策が特徴で、セミナーも積極的に開催している。好事例を参考にする必要があるだろう。

 ランキングは、同機構運営の「ふるさと回帰支援センター」(東京・有楽町)への新規窓口相談者を対象に調査し、1万3202人が回答した。同センター内にある本県の相談窓口「とちぎ暮らし・しごと支援センター」と、県内市町が受けた24年度の相談件数は9633件。23年度(8568件)、22年度(7122件)から着実に伸びている。

 県は24年度から、オーダーメード型の現地案内を行う「移住促進コンシェルジュ」を配置。全市町が参画する移住相談会の開催などで、宇都宮市や那須塩原市だけではなく県全体に移住検討の裾野が広がってきている。

 さらに本県の特徴は、女性からの移住相談の増加だ。24年に男女の相談割合が逆転。女性向けの交流会開催や、イベントに「移住婚」ブースを出展するなど、移住と結婚支援をセットにした取り組みが奏功したという。

 一方、1位の群馬県と比較すると課題も浮かぶ。同機構では会場やオンラインの「セミナー」への新規参加者を対象にした移住希望地調査も実施しているが、群馬は1位、本県は12位にとどまる。群馬はセミナーを年間60回ほど開催しているのに対し、本県主催は14回と少ない。県は新年度、支援センターの相談員を2人から3人に増員し、セミナーの企画などに力を入れていく方針という。

 移住者の増加は地域の活力を高める。雇用や住宅、教育などの環境をより良く整え、ランキング上位を追い風に多くの人を呼び込みたい。