企画「夜に見つめる~まちに灯(とも)る物語~」の第2部のテーマは「命と日常を守る」。命と向き合う現場で奮闘し、平穏な暮らしを維持するために力を尽くす人たちの献身ぶりと心情に焦点を当てた。連載から四つの現場を抜粋し現状を伝えるとともに、担当記者3人が取材で感じた課題や展望を意見交換した。

(「夜に見つめる」取材班 延藤哲史、大貫茉伊子、小玉義敬)
 

 厚生労働省が2024年7月に公表した推計によると、本県では26年度、必要な介護職員数約3万5千人に対して約8千人分が不足する。現役世代が急減し、高齢者数が高止まりする40年度は、必要数約4万人に対し約1万5千人が不足すると見込まれている。

 介護人材不足の要因の一つとされるのが、業界の賃金水準の低さ。厚労省などによると、国内の常勤介護職員の平均月収は、ボーナス込みで約34万円。全産業平均を約8万円下回っている。そのため政府は断続的に介護報酬の改定を実施し、介護従事者の賃上げを図る処遇改善の加算率の引き上げなどを行ってきた。