市貝町見上(みあげ)の「町芝ざくら公園」には、ピンクや白など4色の可憐(かれん)な花々が作り出す絶景を一目見ようと、毎年4月からゴールデンウイーク過ぎにかけて、約20万人が押し寄せる。
公園誕生のきっかけは、2000年に完成した「芳那(はな)の水晶湖」と呼ばれる農業用水の貯水池・塩田調整池の整備事業。造成工事で発生した残土の一時保管場所だった隣接地を、同町が新たな観光拠点とすることとなった。
公園整備を担当した同町税務課の鈴木貴博(すずきたかひろ)係長(41)によると、「人工スキー場建設案もあったが、ターゲットが若者に限られるのでボツになった」。協議の結果、傾斜を生かし、管理が比較的容易で開花期の長いシバザクラを植栽した公園に落ち着いた。
05年から2年がかりで約14万株のシバザクラを植栽。町民を中心としたボランティア延べ約1200人が協力したという。鈴木係長は「地元の人たちに愛着を持ってもらおうと参加を呼び掛けた。植栽前に、広大な防草シートに穴を開ける作業が特に大変だった」と振り返る。
シバザクラの花じゅうたんが表現するのは地元の小貝川の流れ。デザインは当時市貝中で美術を教えていた茂木町逆川小の小松崎正訓(こまつざきまさくに)教頭(55)の発案だ。小松崎教頭は「斜面の上から見ると、雄大な自然の中に川が流れるデザインで、うまく調和させるよう考えた」と話す。
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