県内に残る小中学校の廃校舎のうち、3割が未活用のままとなっている。立地の不便さや校舎の老朽化などが壁となり、活用されていないのが実情のようだ。

 だが廃校は自治体にとって貴重な財産であり、活用することで地域コミュニティーの維持や活性化などが期待できる。廃校舎が全て活用されている自治体もあり、必ずしも好立地とは言えない廃校を生かしたケースもある。先進自治体の取り組みや好事例を参考に、活用を推進したい。

 一方、廃校はある程度まとまったスペースや静かな環境という学校ならではの優位性を持つ。既存施設を活用するため、初期投資を抑えられコストダウンなども図れる。活用する側にとってメリットが少なくないだけに、事業者などには活用を前向きに考えてほしい。

 文部科学省の調査などによると、県内公立小中学校は2000年度の613校から25年度は475校となり、四半世紀で130校以上減った。125校の校舎が残存するが、約40校が未活用の状態となっている。閉校になった校舎には電気や水道などの設備が整っている場合が多く、国は利活用を呼び掛けている。

 鹿沼市は解体されずに残っている廃校8校全てが企業などによって活用されている。コミュニティーセンターのほか、ドローンスクールや日本酒醸造所などに使われている。同市の特徴として、雨漏りなど施設の不具合を修繕した場合、賃料を免除するなどの対応をしている。他自治体も参考にしてはどうか。

 基本的には地元自治会などと協議し、要望を聞いた上で民間からの提案を受ける。同市の担当者は、地元の理解を得ることが重要だと指摘する。運営が民間に変わることで、環境の変化や既存の事業者との競合など地元住民は不安や懸念を持つこともある。まずは地域との丁寧なコミュニケーションを心掛けたい。

 統廃合が多く進んだ日光市では残っている廃校11校のうち6校の使い道が決まっていない。活用が進まない要因として、担当者は高速道路のインターから遠いという立地条件や、過疎化による労働力確保の難しさなどを挙げる。

 自治体単独ではPRにも限界がある。廃校情報を紹介する文科省のホームページなどを活用し、企業とマッチングできる可能性を高めたい。