都会的で洗練された楽曲とソウルフルな歌声で“AORの帝王”と呼ばれるシンガーのボズ・スキャッグスが5月から6月にかけ、来日公演を開催する。大ヒット曲「ウィアー・オール・アローン」などを収録した名盤「シルク・ディグリーズ」の発売から半世紀。ボズは「声は変わり、表現力は豊かになった。でも、50年前と同じ精神で歌っているよ」と語る。
昨年発売のジャズアルバム「デトゥアー」では1930年代から60年代までのスタンダード曲を掘り起こし、自身の声で新たに命を吹き込んだ。原点でもあるアメリカのルーツ音楽をたどる活動は、ボズの音楽の中核に位置付けられる。
音楽好きの両親の下で、音楽に囲まれて育った。10歳の頃からジャズを聴き始め、関心はさらに広がっていった。ナット・キング・コール、フランク・シナトラ、エラ・フッジェラルド、ビリー・ホリデイ、そして「私自身を形作った最も重要なアーティストの1人」であるレイ・チャールズ…。かれらは、若い頃からボズが追い求めた音楽の中心にあったという。
コロナ禍でライブができない間、古い音楽を調べながら、新しいアルバムの構想を練ったという。「このアルバムを作る間に、多くの発見と喜びがあった」
アメリカーナと呼ばれるルーツ音楽への回帰は、若いミュージシャンの間でも活発だ。「今やありとあらゆるスタイル、ジャンルの音楽がそこら中にあふれかえっています。若い世代の“耳”が洗練されるにつれて、自然にルーツ音楽にたどり着いたのでしょう。若い世代がそうした音楽を理解し、自分たちの表現にしているのは素晴らしいことです」
ボズの音楽は日本でも長く愛されてきた。得意なバラードが日本人の感性に合ったのではないかと考えている。「甘い悲しみとでも言うようなメランコリー(もの悲しさ)を音楽に見いだすことができる。静かな秋の空気のように、魂や心の深さを味わう。音楽に対するそんな豊かな感性は日本ならではだろうね」
初めて訪れた際の日本の観客の聴く姿勢も印象に残っているという。「最後の音が消えるまで待ってから拍手をするんだ。強い関心と礼儀正しさがどちらも感じられて、すてきな経験だった」
来日公演は、キャリアを総括するようなセットリストで好評を博した昨年秋の全米ツアーの続編という位置付けだ。「秋のツアーはとてもエキサイティングだった。また舞台に立てることをとても楽しみにしているよ」
▼来日公演日程▼
5月22日東京・SGCホール有明
5月24日仙台・東北大学百周年記念会館川内萩ホール
5月26日岡谷鋼機名古屋公会堂
5月28日福岡サンパレスホテル&ホール
5月30日広島・上野学園ホール
6月1日グランキューブ大阪
6月4・5日東京Kanadevia Hall
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