県内の空き家の活用促進を図ろうと、県は子育て世帯が空き家をリフォームする際の費用を補助する制度を始めた。3月には各市町の空き家バンクの登録情報を集約したポータルサイト「とちぎ空き家サイト」も立ち上げた。

 空き家対策は原則、市町村が担うが、県もこうした施策で後押ししている。今後も知恵を出すとともに連携し、市町、県一体となって活用促進を図ってほしい。

 活用と同時に、空き家の発生抑制も重要だ。予備軍を放置せず、相続登記の義務化といった空き家対策につながる制度を広く呼び掛け、家屋所有者らの意識改革にも力を入れたい。

 国の2023年の調査では、県内の空き家は約16万4千戸あり、20年間で約1・6倍に増えた。人口減少に伴い、今後さらに増えると見込まれる。空き家は景観や衛生面で悪影響を及ぼすほか、治安や防災力を悪化させる恐れがあるだけに対策は急務だ。

 空き家対策を担う県内25市町は「空き家等対策計画」を策定し、計画に基づき対策を進めてきた。リフォームや解体する際の補助金制度などを設け、空き家解消に向け取り組んでいる。

 計画策定など市町の取り組みを支援してきた県は本年度、子育て支援の観点も合わせ子育て世帯対象の空き家リフォーム補助を始めた。子育て世帯を対象に県も加わり支援する例は全国でも珍しいとみられる。いかに利用につなげるかが課題だが、今後も先進的なアイデアで対策を積み上げることを期待したい。

 新設した空き家サイトは現在、25市町の物件が約250件掲載されている。エリアをはじめ予算や間取りなど希望条件を入力すれば該当物件が示され、利用者にとっては利便性が高いと言えよう。

 一方、特定空き家を含む全ての空き家情報を集約しデータベース化する仕組みも作った。市町が持つ詳細な空き家情報を数年かけてまとめ、市町の相談業務などに役立てる考えで、早期の構築と活用が望まれる。

 空き家の活用推進と発生抑制は車の両輪だ。自治体は相続登記の義務化や空き家の管理手法などについて、所有者らへの呼び掛けを一層強めるべきだ。一人一人が自らが関係する不動産に関心を持ち、空き家を出さない意識を持ちたい。