静岡県松崎町で農薬や化学肥料を使わない米づくりに携わる神健一さん(提供写真)

 「ライフシフトプラットフォーム」に新たに参加し、自己紹介し合うメンバーたち=4月、東京・新橋

 「ライフシフトプラットフォーム」を運営する会社の山口裕二代表(提供写真)

 山ノ内陽介「Oilyfall」(2026年)(提供写真)

 国立映画アーカイブで上映される(上から)「暖流〈最長版〉」「父ありき〈デジタル復元・最長版〉」「男子有情」(提供写真)

 静岡県松崎町で農薬や化学肥料を使わない米づくりに携わる神健一さん(提供写真)  「ライフシフトプラットフォーム」に新たに参加し、自己紹介し合うメンバーたち=4月、東京・新橋  「ライフシフトプラットフォーム」を運営する会社の山口裕二代表(提供写真)  山ノ内陽介「Oilyfall」(2026年)(提供写真)  国立映画アーカイブで上映される(上から)「暖流〈最長版〉」「父ありき〈デジタル復元・最長版〉」「男子有情」(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

【25日(土)】

 ▽「セカンドキャリアを模索する『ライフシフトプラットフォーム』」(港区)

 人生100年時代と向き合うミドル・シニア層の自律的なキャリア形成を支援する「ライフシフトプラットフォーム(LSP)」の取り組みが注目されている。

 メーカーや金融、マスコミなど多様な業界からセカンドステージを模索する男女が、新橋にあるビルのフロアに集う。毎月2回のグループ会ではメンバー同士で互いのスキルを再点検し、新規事業や社会課題の解決など“個としての活動”を目指す。メンバー募集は春と秋。この4月には過去最多の22人が加わった。

 同所を運営するニューホライズンコレクティブ合同会社(2020年設立)の山口裕二代表は「企業でキャリアを積んだ50~60代が、それまでの既成概念から解き放たれる場」と位置づける。これまで200人以上が民泊事業者や農園経営者として飛び立った。大手メーカーからヨガインストラクターに転身した女性も。定年後の「再雇用」の枠組みにとどまらず、それぞれ新たな生き方を切り開いている。

 大手広告会社を退職後、LSPに参加し、静岡県松崎町に移住した神健一さんは、米作りや地元の食のPR支援に携わる傍ら、後継者のいない旅館を事業継承し、地域活動の拠点づくりに挑んでいる。「この小さな町でいろんな人に出会い、世界は広いと実感した」と語る。

 山口代表は「生き方の正解は一つではない。大企業では一社員でも、地方へ行けばその知見が地域活性の鍵となり、ヒーローになる事例を多く見た。組織に身を委ねる安定から、自らの手で人生をデザインする時代が来ている」と話す。

 定年制度は新たな人生を真剣に考えるチャンスという。「仲間との対話により、今まで知らなかった“自分の価値”に気づく。過去の仕事を肯定できた時、未来への不安が消え顔つきが変わる。年齢を超えて挑戦することで、未知の可能性を見つけられるだろう」

 ○そのほかのお薦めイベント

 【25日(土)】

 ▽「若手アーティストの発信拠点GARDE ART GALLERY」(港区、入場無料)

 ブランド店舗や大型商業施設、ホテル、オフィスなどのデザインを手がける「GARDE」が今春、青山の本社内にギャラリーをリニューアルオープンした。建築家やデザイン関係者が頻繁に出入りする展示空間で、若手アーティストの才能を発見してもらう機会づくりが狙い。

 伝統的な油彩技法と現代的な色彩感覚を併せ持つ新進のアーティスト、山ノ内陽介さんの個展を開催中(~30日)。新作を中心に抽象画と具象画11点を披露。大型作品「Oilyfall」は淡い青、緑、紫の色彩が、画面上に水が流れるようなグラデーションを描き出した。

 ルネサンス期絵画の影響を受けた「Budding」は貝やタコ、つぼ、靴などのモチーフを組み合わせた重厚な油彩画を、やわらかな色調で仕上げた。山ノ内さんは「完成を目指さず、制作過程で浮かんだアイデアを形にした。意味を解釈せず心身で感じてほしい」と話す。

 GARDEの室賢治社長は「確かな力量と可能性を持つ若手アーティストの才能を社会に還元できるよう、環境をさらに整えていきたい」と意気込みを語った。

 ▽「発掘された映画たち2026」(~5月10日、中央区)

 フィルム修復や最新デジタル技術でよみがえった日本映画史上の名作などを披露する特集上映が、京橋の国立映画アーカイブ(NFAJ)で組まれている。復元作業に尽力したIMAGICAエンタテインメントメディアサービスとの共催。

 4年ぶりとなる“発掘”企画の目玉は、吉村公三郎監督「暖流」の最長版(25日、5月1、10日に上映)。1939年の初公開版(177分)は戦後に短縮・再編集され124分版が普及していたが、近年見つかった169分のフィルムを基に、なるべくオリジナルに近い形を目指した。

 病院再建をめぐり佐分利信、水戸光子、高峰三枝子らが繰り広げるメロドラマの「重要なディテールが補われ、脇役らの心情も掘り下げられている」(大澤浄・NFAJ主任研究員)という。

 現存作品が少ない時代劇の名匠・辻吉郎の代表作「沓掛時次郎」(29年)も、欠落していたラストの乱闘場面などが寄贈フィルムにより復活。大河内伝次郎の豪快な立ち回りが悲しい場面と絡まり合う緻密な構成は圧巻だ(28日、5月10日)。

 40年代の作品では、多くの娯楽時代劇を演出し広島で被爆死した白井戦太郎監督の遺作「恩讐を越えて」、劇中に浪曲や演歌(明治時代の抵抗歌)を巧みに織り込んだ石田民三の監督作「鬪ふ男」「男子有情」が、いずれも原版からのニュープリントで登場。

 このほか小津安二郎監督「父ありき」のデジタル復元・最長版、著名な映画史家・田中純一郎が脚本を手がけた東宝国策映画協会作品「大乗の國」、漫画「フクちゃん」で知られる横山隆一の初期アニメーションなど、バラエティーに富むラインアップとなっている。

 ▽「イタリア展 日本橋三越本店2026」(23日~5月6日、中央区)

 日本橋三越本店でイタリアの食を楽しめるイベントが始まった。テーマは「人生を楽しむイタリアのライフスタイル」。伝統的料理を今のスタイルにした食が集結する。

 前半(23~27日)は、ミラノ・ポルタロマーナ地区の人気店「パスタマードレ」が登場。フォトジャーナリストから料理人に転身したフランチェスコ・コスタンツォさんによる、自家製生パスタと旬の食材を駆使したシチリア系地中海料理を紹介。新しい視点で素材の魅力を引き出す。

 後半(30日~5月6日)はストリートフードを展開。フィレンツェの「ベルリンガッチョ・アリメンターリ」の牛モツ煮込みをロゼッタパンで挟んだパニーニなどを提供する。イタリアらしい陽気な雰囲気の中で本場の味を堪能したい。