NHK連続テレビ小説「風、薫る」の主人公のモチーフとなった大田原市(旧黒羽町)出身の大関和(おおぜきちか)(1858〜1932年)。女性の職業的地位が低かった明治時代、正規の訓練を受けた看護師「トレインドナース」として、日本近代看護の礎を築いた。黒羽が育んだ和の足跡をたどり、受け継がれる看護の心に迫る。

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 「実地看護法」「派出看護婦心得」「家庭看病法」。大関和(おおぜきちか)が記した3冊の著書は看護実務の基本から心構えまで多岐にわたる。和が示した道しるべは現代看護の指針となっている。

晩年の大関和の肖像写真(医療法人知命堂病院提供)
晩年の大関和の肖像写真(医療法人知命堂病院提供)

 「看護師は医師の手足ではなく車の両輪。(和は)自立した専門職へと押し上げた功績者だ」。フローレンス・ナイチンゲール記章受章者の河野順子(こうのじゅんこ)さん(82)=大田原市=は和への敬意をにじませる。