忽然(こつぜん)と姿を消したあの日から30回目の春になる。1996年4月、小山市出身の安西正博(あんざいまさひろ)さん=当時(27)=が名古屋市の社員寮から車で外出したまま行方不明となり、7年後に北朝鮮に拉致された可能性のある「特定失踪者」となった。息子の安否を知らぬまま両親はこの4年間に相次いで他界した。「あれから30年。一体、何が起きたのか。どこで、どのように暮らしているのか」-。小山市在住の正博さんの兄(62)が23日までに下野新聞社の取材に応じ、弟の無事や真相解明を願う心情を語った。
行方不明になった96年4月14日から2日後、兄は父の故茂雄(しげお)さんと共に正博さんの寮に入った。「無断欠勤は一度もないのに連絡が取れない」と勤務先からの電話で事態を知った。6畳一間の部屋の机には文庫本3冊や銀行の預金通帳1通。洗濯物も干したままだった。
安西正博さん
失踪の1週間前、
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