上三川町の民家で住人の女性(69)が殺害された強盗殺人事件は、逮捕された実行役の4人が全員16歳の高校生という異例の事態に展開した。逮捕容疑が事実であれば、凶悪犯罪の低年齢化に驚きを禁じ得ない。
今回の事件は、指示役とみられる20代の夫婦も逮捕された。「闇バイト」を悪用した匿名・流動型犯罪グループ(匿流)のさらに上位指示者がいるとみられている。県警は組織の壊滅も視野に入れた徹底的な捜査をしてほしい。
同時に、交流サイト(SNS)を起点とした闇バイトの低年齢化を防ぐ方策を、社会全体で考えなければならない。犯罪の捨て駒にされる闇バイトは、割に合わないことを若年層に浸透させるべきだ。
4人の高校生は、それぞれ神奈川県内の別の高校に通う同学年という。被害者の女性とは何の面識もない。平日の日中に無免許の高級外車で被害者宅に押しかけ、金品を物色し、被害者を凶器で刺殺した。
高校生らは強盗殺人という罪の重さを、自覚していたのだろうか。それとも軽い気持ちで犯行に加わったのか。仮に指示役らに脅された上の犯行だったとしても、結果はあまりにも重大である。
専門家によると、闇バイトは危険性が周知されて実行役が集まりにくくなっている。結果として情報モラルの低い低年齢層が、勧誘のターゲットになっている側面もあるという。
情報モラル教育の強化は、学校だけでは限界もあるだろう。IT業界、専門家、警察などが連携し、ネット上の危険な情報を見抜く教育を広めたい。特にSNS事業者は、闇バイト募集投稿を検知する機能強化や、投稿者の本人確認の厳格化を徹底すべきだろう。
被害者の周辺では、1カ月ほど前から不審者や不審車両が目撃されており、被害者の親族も窃盗被害に遭っていた。下野署も含め地域を挙げて警戒を強めていた最中の犯行である。
地域社会の不安と恐怖は計り知れない。実態解明を通してしか、不安と恐怖は除去できない。捜査当局は末端の摘発にとどまらず、犯罪構造そのものに踏み込むべきだ。
同時に若者を凶悪犯罪の加害者にしないために何ができるか、社会全体が問われている事件でもある。
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