セアカゴケグモはオーストラリア原産の外来種のクモで、1995年に大阪府で初めて発見されました。海外からの船舶が往来する港湾都市などで見つかり、移入元は不明ですが建築資材などに紛れてやって来たとされます。今ではほぼ日本全国の身近な場所で見つかっています。
セアカゴケグモは赤い背中が鮮やかなクモとして印象的で、毒を持つのは雌です。日本には他にも赤いクモがいますので、赤い背中だから全てセアカゴケグモではありません。
おとなしいクモですが、人が素手で触るとかまれることがあります。かまれるとまず、チクッとした針で刺したような痛みを感じ、これが強くなって激しい痛みに変わっていきます。かまれた部分の周囲は赤く腫れ上がり、痛みは次第に全身に広がります。悪化するとめまいや大量の汗が出て、寒けがし嘔吐(おうと)するなどの症状が出ます。血圧の上昇や呼吸困難などの全身的な症状が現れる人もいて危険です。
かまれた場合はまず、せっけんと流水で毒をよく洗い流します。抗毒素血清が有効ですので、医療機関を速やかに受診します。この時に可能であれば、かまれたクモを殺してビニール袋などに2重に入れて持っていくと、速やかに適切な治療につながります。通常は、数日から数カ月で回復します。
セアカゴケグモは放置自転車や自動車のタイヤの周りに巣が多く確認され、排水溝の側面やふたの裏、花壇の周りのブロックの隙間、穴やくぼみ、プランターと壁とのすき間、伏せた状態の空の植木鉢の中などでも生息します。日当たりが良いところや温かいところを好むので、自動販売機の裏、クーラー室外機の裏、浄化槽ブロアーカバーの内部など、人工的な熱源の周りの温かい所などに巣を張って棲みつくこともあります。このような場所では普段から、直接手では触らずに棒などで払って、巣を作らせないようにするなどの予防もあります。セアカゴケグモは、市販のピレスロイド系家庭用殺虫剤を噴霧すれば駆除できます。
おかだ・はるえ 医学博士。専門は感染免疫学、公衆衛生学。テレビやラジオへの出演や執筆活動を通じて、感染症対策の情報を発信している。

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