13歳の時に「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」で優勝し、卓越した技術と成熟した音楽性で評価されるロシア出身のピアニスト、アレクサンダー・マロフェーエフがデビューアルバム「忘れられた調べ」を発売した。
コンセプトは「亡命」と「郷愁」。メトネルの「忘れられた調べ」第1集や、ラフマニノフの「ピアノ・ソナタ第2番」など、ロシアに生まれながら母国を離れ生涯を終えた作曲家4人の作品を収録した。「時代遅れ」との評価を受けたり、ロシア革命を経験したり、それぞれ苦難の人生を送った。「彼らは安心して音楽を追求できる場所を求めた。思いが込められた音楽は美しく心地よい」
自身もロシアがウクライナに侵攻した2022年、安住の地を求めてベルリンに移った。侵攻開始時は国外でのツアー中で、その年は予定されていた30公演が中止になった。
当時、フェイスブックに「恐ろしく血なまぐさい決定のために、全てのロシア人が罪悪感を何十年も抱くだろう」と投稿。その意図を「他の国を侵略して人を殺すなんて絶対に許されない。何も感じないということはあり得ず、当たり前のことを言った」と振り返る。
アルバムに込めたのは、ロシアに対する「郷愁」ではなく、母親のぬくもりの中で安心して過ごした思い出に対する懐かしさだ。「ソファに体を委ねるような温かさや心地よさを感じて録音した。演奏を聴いて同じ思いを抱いてくれるとうれしい」
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