「まさか宇都宮の市街地にクマが出るなんて」―。6日早朝から7日夕にかけて宇都宮市内で相次いだクマの目撃は、同市長岡町の山林から中心市街地を南へ縦断する形で直線距離にして約7キロにわたり、7日未明には市中心部のオリオン通り、同日夕には中学校校庭でも確認。かつてない事態に市民からは驚きや不安の声が上がった。県警や市、県猟友会が出動し、1日かけて捜索したものの、日没を迎え西川田町周辺で一旦撤収することに。クマはまだ近隣の住宅街にとどまっているとみられ、市民は眠れない夜を過ごした。
普段は通行人が行き交う通りを黒く大きな四つ足の動物が一目散に駆け抜ける。7日午前2時20分ごろ、江野町のオリオン通りにある防犯カメラには、クマが通りを横切る様子が映っていた。突然現れたクマに驚く通行人の姿も。クマを目撃した30代女性は「ものすごく腕が太くて、走るのも速かった」と迫力に驚いた。
7日午前5時半ごろ、同市西川田町の自宅敷地内でクマと遭遇した70代女性は、「体長は1メートル以上あり、丸々と太っていた」と動揺を隠せない。犬の散歩に出掛けようと庭に出ると犬が激しくほえ、目の前をクマが走り去った。「タイミングが少し違っていたら、鉢合わせして襲われていたかも。怖い」と身を震わせた。
クマは午前5時半に目撃されたのを最後に一時、所在が不明となっていたが、午後4時ごろ姿川中の校庭で再び目撃された。その後、西川田町内でパトロール中の猟友会メンバーがクマを発見。県警が付近の住宅街に規制線を張り、近隣住民に外出を控えるよう呼びかけるなど、周囲はものものしい雰囲気に包まれた。
県警や市によると、7日最後の目撃情報は同日午後11時50分ごろ、西川田町の姿川地区市民センターの東500メートル地点。午後11時現在、クマは捕獲されていない。近くの70代女性は「捕まえてもらえるまで怖くて眠れない」と嘆いた。
クマはどこから来て、どこへ向かうのか。県自然環境課野生生物・鳥獣対策班長の丸山哲也(まるやまてつや)さん(59)は「市北部が山間地域なのでそのどこかから来たのではないか」と推測。県猟友会事務局長の小堀大助(こぼりだいすけ)さん(57)は「山を下りてからはクマにとって未知の世界。突き進んでいった先が市街地だったのだろう。このまま市街地を抜けて山まで行ってくれればいいが…」と案じた。

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