社会人アスリートに就職先を紹介し、競技と仕事の両立を支援する県の「とちぎアスリート・キャリアサポートセンター」が開設から10年目を迎えた。2022年栃木国体に向けた選手育成では一定の成果を上げた。その仕組みを「国体レガシー」として継承、発展させ、本県のさらなるスポーツ振興につなげたい。
同センターは22年国体に向けた競技力強化策の一環として、17年4月に開設された無料の職業紹介所。陸上男子短距離の佐藤風雅(さとうふうが)選手をはじめ各競技の有望選手が同センターの仲介で県内企業に入社し、国体で活躍した。
県は国体終了後も成年層の選手強化や指導者確保を目的に同センター事業を継続。1日現在で登録企業は延べ49社、求職登録件数は53件、内定者数は22人となっている。49社の登録時期は「栃木国体前」が46社で「後」は3社にとどまる。ただ「栃木国体での天皇杯・皇后杯獲得」が主目的だった前と後では事業の狙いは変化している。
県スポーツ振興課は、企業がアスリートを雇用するメリットについて「社内の活性化や一体感の醸成が期待でき、イメージアップにつながる」としている。栃木国体という一大イベントを経てスポーツ熱が高まっている今だからこそ、アスリートの価値を正面から認めてもらい、息の長いサポート態勢の整備に向けて協力してもらう必要がある。
昨年度には、選手向けの登録要件を一部改定した。従来は原則として国体(国民スポーツ大会)正式種目に取り組む選手・指導者に限定していたのに対し、「全国・国際スポーツ大会等で活躍」との文言を追加した。これにより登録可能な競技は増えた。
同課によると実際、トレイルランニングやフットゴルフなど国スポ正式種目でない競技の選手からの問い合わせが増えているといい、効果は出始めている。今後、宇都宮市東部総合公園「アークタウン宇都宮」の開場で注目度が高まるスケートボードや自転車BMXなどアーバンスポーツ関係の選手も呼び込めれば施設の有効活用も期待できる。
本県は多くのプロチームがあり、選手のセカンドキャリア支援は重要な課題。部活動の地域展開が進む中、指導者の確保も求められている。官民一体となって「国体レガシー」を継承し、有効に活用していきたい。
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