日本人間工学会第67回大会にてイノアックと立命館大学が取り組む研究の成果を発表
2026/06/15 10:00
株式会社イノアックコーポレーション(代表取締役社長:野村泰、名古屋本社:愛知県名古屋市・東京本社:東京都品川区、以下イノアック)と、立命館大学理工学部(所在地 滋賀県草津市、以下立命館大学)の岡田志麻教授およびスポーツ健康科学部の塩澤成弘教授らとの連携により得られた研究成果について、同教授らにより日本人間工学会第67回大会において3件の演題発表が行われましたことをお知らせします。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606120769-O1-6Fp7K202】
今回の研究では、イノアックが展開する寝具ブランド“カラーフォーム”の「FACET(ファセット)」マットレスに施された六角スリット加工の有無を比較し、寝返りのしやすさから睡眠中の身体動作、さらに起床後の身体機能まで一連の流れを研究しました。
マットレスの反発と寝返りのしやすさの関係を検証
「高反発マットレスは寝返りしやすい」と言われています。しかし、なぜ寝返りしやすいのか、また実際に身体への負担が小さいのかについて、十分に客観的な評価が行われていませんでした。
そこで本研究では、寝返りを「身体運動」として捉え、マットレスの違いが寝返りのしやすさに与える影響を評価しました。具体的には、六角スリット加工の有無に加え、ヒステリシスロス※の異なるマットレスを3種類用意しました。被験者が繰り返し寝返り動作を行った際の代謝量を測定することで、各寝具の寝返りのしやすさを客観的に評価しました。
(※ヒステリシスロスとは、材料を押したときの力が、そのまま同じ強さで押し返されず、一部が失われる性質のことです。そのため、「押すときの力」と「元に戻るときの力」に差が生じます。ウレタンフォームにはヒステリシスロスが大きいものから小さいものまで存在し、一般にヒステリシスロスが大きいものは低反発、小さいものは高反発・高弾性の特性を示します。)
測定の結果、ヒステリシスロスが小さい高反発材料の方が、ヒステリシスロスが大きい低反発材料よりも寝返り時の身体負荷が小さいことが確認されました。
以上の結果から、寝具の開発現場で経験的に認識されていた「高反発マットレスは寝返りしやすい」という知見が、身体運動の観点から客観的に確認されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606120769-O3-y7s1u4eF】
睡眠中の身体の動きを可視化しマットレス構造の影響を検証
睡眠中の寝返りや姿勢調整は、睡眠環境へ適応したり、身体への負担を軽減させる重要な動作と考えられています。本研究では、六角スリット加工が睡眠中の身体動作に与える影響を評価しました。
評価には、睡眠中の様子を撮影した動画を用いました。動画中の画像の動きから人の動き方や動作量を解析する「光学フロー解析」を用いることで、被験者へセンサを装着することなく睡眠中の身体動作を評価しました。
従来、睡眠中の身体動作の評価には活動量計などを身体へ装着する方法や、マットレス下にセンサを設置する方法が用いられてきました。しかし、これらの方法では睡眠への影響が避けられないことや、身体のどの部位がどのように動いたかを空間的に把握しにくいという課題があります。本研究の結果から、光学フロー解析は睡眠を妨げることなく睡眠中の身体動作を空間的に評価する手法として活用できる可能性が示されました。
その結果、体動頻度自体は六角スリット加工の有無による大きな差は見られませんでした。一方で、体動量は六角スリット加工ありの場合に有意に低下しました。
これは、六角スリット加工によって身体への適合性が向上し、より小さな動作で姿勢調整が行われている可能性を示しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606120769-O4-6P5m62Cd】
起床後のコンディションに与えるマットレス構造の影響を評価
マットレスの評価は、これまで寝心地や睡眠中の状態に着目したものが中心でした。本研究では、マットレスの違いが睡眠中だけでなく、起床後の身体機能の回復状態や覚醒度にどのような影響を与えるかを評価しました。
評価には、重心動揺検査とPVT(精神運動覚醒検査)を用いました。重心動揺検査では、目を閉じて測定機器上に立った際の身体の揺れを測定し、バランス制御機能の回復状態を評価しました。また、PVTではモニターに表示される数字への反応速度を測定し、注意力や覚醒度を評価しました。
その結果、六角スリット加工ありの条件では、起床後の身体の揺れ(重心動揺量)が小さくなる傾向が確認されました。これは、起床後の身体のバランスがより安定した状態にある可能性を示す結果です。
以上の結果から、マットレスの構造は睡眠中の身体動作だけでなく、起床後の身体機能の回復状態にも影響を与える可能性が示されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606120769-O5-3qwmul8J】
これまでのマットレス評価は、「寝心地」などの感覚的な評価が中心でした。しかし今回の研究では、「寝返りのしやすさ」「睡眠中の身体動作」「起床後の身体機能」を一連の流れとして評価し、マットレス構造が人体に与える影響を客観的に解析しました。
イノアックは今後も大学・研究機関との連携を通じて、人体構造・睡眠・材料特性を統合した研究を進め、より客観的で再現性の高い寝具開発を推進してまいります。
日本人間工学会第67回大会発表概要
開催期間:2026年5月23日(土)~2026年5月24日(日)
会場:名古屋市立大学 滝子キャンパス
発表演題
「寝返りのしやすさに着目した寝具の客観的評価法の検討」
「光学フロー解析による睡眠中体動評価とマットレス構造の影響」
「マットレスの違いが睡眠後の身体機能および覚醒度に与える影響」
会社概要
イノアックコーポレーションは、ウレタンフォームだけでなく、長年培われた高分子化学技術から生まれるゴム、プラスチック、複合材で世界中の製造産業をリードし、用途や目的、特性の異なる高機能材料を開発し、ソリューションサービスを通じて、人々の豊かな暮らしを支えています。自動車、二輪、情報・IT機器、住宅・建設関連から身近な生活関連商品、コスメ用品まで、生活のさまざまな場面に密着した製品を取り扱っています。
公式HP:https://www.inoac.co.jp/
本プレスリリースに関しまして
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感覚的な「寝心地」で評価してきたマットレスを寝返り、睡眠中の動き、起床後の身体機能から総合的に分析
株式会社イノアックコーポレーション
6/15 10:00
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